6月3日 17:53 SDGsって何?未来を変える17の目標と私たちの暮らし | マーケターのつぶやき

SDGsって何?未来を変える17の目標と私たちの暮らし

「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」という言葉、最近よく耳にするけれど、具体的にどんなことなのか、よくわからない…そう思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

SDGsは、実は私たちの毎日の生活や、未来の地球、そして社会と深くつながっている、とても大切な目標なんです。

このブログでは、SDGsが「どんなもので、なぜ大切なのか」について、ご紹介します。

そもそもSDGsって何のこと?

SDGsは、「Sustainable Development Goals」の頭文字をとったもので、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。

簡単に言うと、これは「2030年までに、地球上の『誰一人取り残さない』、より良い世界をつくるための、世界共通の目標」です。

2015年9月、国連(国際連合)で世界のリーダーたちが集まって、「このままでは地球も社会も危ない!」という危機感から話し合い、決めたものなんです。

途上国だけが頑張る目標ではなく、日本のような先進国も含め、地球に住む私たち全員が取り組むべき普遍的な目標とされています。

SDGsは「17の目標」と「169のターゲット」でできている

SDGsは、大きな枠組みとして17の「ゴール」(目標)があります。 そして、それぞれのゴールを達成するために、さらに具体的な169の「ターゲット」(具体的な達成基準)が定められています。

たとえば、「貧困をなくそう」というゴールには、「2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」といった具体的なターゲットがある、というイメージです。

未来を変える!17のゴールを見てみよう

それでは、具体的にどんなゴールがあるのか、いくつか例を挙げながら見ていきましょう。もしかしたら、もうすでに皆さんの身近なところで意識していること、実践していることもあるかもしれません。

  1. 貧困をなくそう: あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つことを目指します。日本でも子どもの貧困などが問題になっています。
  2. 飢餓をゼロに: 飢餓を終わらせ、食料の安全保障と栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進します。食品ロスを減らすことも大切な貢献です。
  3. すべての人に健康と福祉を: あらゆる年齢のすべての人々が健康で、安心して暮らせる社会を確保します。
  4. 質の高い教育をみんなに: すべての人々に包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯にわたる学習の機会を促進します。
  5. ジェンダー平等を実現しよう: 性別に関わらず、すべての人が平等に能力を発揮できる社会を目指します。
  6. 安全な水とトイレを世界中に: すべての人々が安全な水と衛生施設を利用でき、それらが持続可能な形で管理されることを目指します。
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに: すべての人々が、安価で信頼でき、持続可能な近代的エネルギーを利用できるようにすることです。
  8. 働きがいも経済成長も: 包摂的で持続可能な経済成長、誰もがやりがいを持って働ける「ディーセント・ワーク」を促進します。
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう: 強靭なインフラを整備し、持続可能な産業化を促進し、イノベーションを推進します。
  10. 人や国の不平等をなくそう: 各国内および各国間の不平等を是正することを目指します。
  11. 住み続けられるまちづくりを: 包摂的で安全かつ強靭で持続可能な都市と人間居住を実現します。
  12. つくる責任 つかう責任: 持続可能な生産と消費のパターンを確保します。ごみを減らし、リサイクルを徹底することも含まれます。
  13. 気候変動に具体的な対策を: 気候変動とその影響に対処するための緊急対策をとります。省エネや再生可能エネルギーの利用促進などが含まれます。
  14. 海の豊かさを守ろう: 海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用します。海洋プラスチックごみ問題への対策も重要です。
  15. 陸の豊かさも守ろう: 陸上生態系の保護、回復、持続可能な利用を推進し、森林管理、砂漠化への対処、生物多様性の損失阻止を図ります。
  16. 平和と公正をすべての人に: 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、司法へのアクセスを提供し、効果的な制度を構築します。
  17. パートナーシップで目標を達成しよう: これまでの16の目標を達成するための実施手段を強化し、グローバルなパートナーシップを活性化します。

なぜ今、SDGsが大切なの?

SDGsが生まれた背景には、地球が抱える深刻な問題がたくさんあります。

  • 環境問題: 地球温暖化、異常気象、プラスチックごみによる海洋汚染、森林破壊など
  • 社会問題: 貧困、飢餓、格差、紛争、人権問題など

これらの問題は、国境を越えて地球全体に影響を与え、私たちの未来を脅かしています。SDGsは、これらの複雑に絡み合った問題を包括的に解決し、持続可能な(ずっと続けていける)社会を築くための「羅針盤(らしんばん)」なのです。

SDGs達成に向けた世界の現状

SDGsは「世界共通の目標」ですが、その達成に向けた道のりは、まだ険しいのが現状です。

毎年発表されるSDGs達成度ランキング(SDG Index)を見ると、北欧諸国など一部の国々が高い達成度を示している一方で、多くの国、特に開発途上国では依然として貧困や飢餓、教育、医療へのアクセスといった根深い課題に直面しています。

さらに、近年では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが、世界のSDGs達成に大きな逆風となりました。貧困層の増加、教育の中断、医療格差の拡大など、これまで積み上げてきた進捗が後退する事態も発生しました。また、世界各地で続く紛争や人道危機は、食料不足や避難民の増加を引き起こし、多くのSDGs目標の達成を阻んでいます。

地球温暖化は進行し、異常気象は頻発しており、気候変動(目標13)への対応は喫緊の課題です。海洋プラスチックごみ問題も深刻さを増しており、海の豊かさ(目標14)を守るための国際的な協力が不可欠となっています。

このように、世界全体としては2030年までの目標達成にはさらなる努力が必要であり、私たち一人ひとりの意識と行動、そして国際社会全体の連携が、これまで以上に求められています。

日本のSDGs達成度と課題

SDGsは世界共通の目標ですが、もちろん日本も例外ではありません。では、日本はSDGsの達成に向けてどれくらい進んでいるのでしょうか?

近年、日本では「SDGs」という言葉自体の認知度は大きく高まりました。しかし、一方で、この言葉が指す理念や具体的な行動が、社会や個人の暮らしにどれだけ深く浸透しているかという点では、まだ課題が残るとも言われています。実際、海外、特に北欧諸国などSDGs達成度が高い国々では、住民がSDGsという言葉を知らなくても、環境に配慮した生活やジェンダー平等な社会のあり方が当たり前のように実践されているケースが少なくありません。これは、SDGsの理念が社会システムや文化に深く根付いていることの表れです。

日本では、SDGsを「意識して」取り組む段階にあり、この意識と行動のギャップを埋めることが喫緊の課題となっています。

毎年発表されるSDGs達成度ランキング(SDG Index)によると、日本は世界の中で比較的上位に位置していますが、その順位は年によって変動しています。例えば、2024年のランキングでは167カ国中18位と、前年から順位を上げています。これは、日本が一定の分野で着実に進捗を見せている証拠です。特に、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」では「達成済み」と評価されるなど、産業や技術の面で強みを発揮しています。また、目標1「貧困をなくそう」、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標4「質の高い教育をみんなに」などでも比較的高い評価を得ています。

しかし、その一方で、日本が「深刻な課題がある」と評価されている分野も存在します。特に以下の目標は、今後の日本の重要な課題として挙げられています。

  • 目標5「ジェンダー平等を実現しよう」: 国会議員の女性比率の低さや男女間の賃金格差など、男女平等に関する課題が指摘されています。
  • 目標12「つくる責任 つかう責任」: プラスチックや電子機器の廃棄物量が多く、リサイクルや持続可能な消費の推進が求められています。
  • 目標13「気候変動に具体的な対策を」: 二酸化炭素(CO2)排出量や、再生可能エネルギーへの転換などが課題とされています。
  • 目標14「海の豊かさを守ろう」: 過剰漁業や海洋プラスチックごみなど、海の生態系保護における課題が残っています。
  • 目標15「陸の豊かさも守ろう」: 生物多様性の保全や森林管理など、陸の生態系を守るための対策が引き続き必要です。

このように、日本はSDGsの達成に向けて前進している部分と、さらに努力が必要な部分が明確になっています。企業や自治体もSDGsを経営戦略や地域づくりの核として取り入れる動きが加速しており、例えば、セブン&アイ・ホールディングスのプラスチック資源循環の推進や、日清食品のカップヌードルの紙容器への変更など、私たちの身近な商品にもSDGsへの取り組みが見られます。

私たちの暮らしがSDGsと密接に結びついているからこそ、日本が抱えるこれらの課題を理解し、私たち一人ひとりが行動していくことが、より良い未来を築くために不可欠です。

私たち一人ひとりにできること

「なんだか大きな話で、自分には関係ないかも…」そう思われた方もいるかもしれません。でも、決してそんなことはありません。

SDGsの達成には、政府や企業だけでなく、私たち一人ひとりの小さな行動の積み重ねがとても大切です。

たとえば…

  • マイバッグを使う:プラスチックごみを減らすことで、目標12「つくる責任 つかう責任」や目標14「海の豊かさを守ろう」に貢献します。
  • 食べ残しをしない:食品ロスを減らすことで、目標2「飢餓をゼロに」や目標12「つくる責任 つかう責任」に貢献します。
  • 節電・節水を心がける:エネルギーと資源を大切にすることで、目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、目標13「気候変動に具体的な対策を」に貢献します。
  • リサイクルをしっかりする:資源の有効活用につながり、目標12「つくる責任 つかう責任」に貢献します。
  • フェアトレード商品を選ぶ:開発途上国の生産者の生活向上を支援し、目標1「貧困をなくそう」や目標8「働きがいも経済成長も」に貢献します。

など、普段の生活の中で意識を変えるだけで、SDGsに貢献できることはたくさんあります。

SDGsは未来のために、みんなで取り組む共通目標

SDGsは、私たちが未来の世代に、より良い地球と社会を引き継ぐための大切な約束です。

今日から少しずつ、SDGsを意識した行動を取り入れてみませんか?あなたの小さな一歩が、きっと大きな変化につながるはずです。

FAQ(よくある質問)

Q1:SDGsの目標達成は、本当に可能なのでしょうか?

A1:SDGsの目標達成は決して簡単な道のりではありませんが、不可能ではありません。新型コロナウイルスのパンデミックや紛争など、予測不能な課題が発生し、一部の目標では進捗が後退している現実もあります。しかし、世界中の国々、企業、市民社会、そして個人が協力し、イノベーションを起こし続けることで、持続可能な未来への可能性は十分にあります。SDGsは、私たち全員が目指すべき「羅針盤」として、重要な役割を担っています。

Q2:SDGsの取り組みは、具体的にどこで確認できますか?

A2:SDGsの取り組みは、私たちの身の回りの様々な場所で見つけることができます。

  • 企業: 多くの企業のウェブサイトでSDGsへの取り組みが公開されています。環境に配慮した製品開発、働きがいのある職場づくり、地域貢献などが挙げられます。
  • 自治体: 国が選定する「SDGs未来都市」をはじめ、多くの自治体がSDGsを推進しており、地域課題の解決に向けた取り組みを行っています。自治体の広報誌やウェブサイトで確認できます。
  • 商品・サービス: エコマーク、フェアトレードラベルなどが付いた商品や、環境・社会に配慮したサービスを選ぶことで、企業や生産者のSDGsの取り組みを支援できます。
  • メディア: ニュース、ドキュメンタリー、専門サイトなどで、国内外のSDGsに関する情報や取り組みが日々発信されています。

Q3:SDGsと似たような言葉に「ESG」がありますが、違いは何ですか?

A3:「SDGs」は2030年までの「持続可能な開発目標」そのものを指し、国連が定める世界共通の目標です。一方、「ESG」は「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の頭文字を取ったもので、企業が投資家から評価される際の3つの重要な観点を指します。 企業がSDGsの達成に貢献しようとするとき、ESGの視点を取り入れて経営を行うことが一般的です。つまり、SDGsが「目指すべきゴール」であり、ESGは企業がそのゴールに向かうための「経営戦略や評価の枠組み」と考えると分かりやすいでしょう。ESG投資は、SDGs達成を後押しする重要な資金の流れでもあります。

Q4:SDGsのロゴマークは誰でも使って良いのですか?

A4:SDGsのロゴマーク(17色のカラーホイールなど)は、国連が定めたガイドラインに沿って使用する必要があります。原則として、商業目的での使用には申請や承認が必要となる場合が多いです。SDGsの普及啓発や非商業的な教育目的での使用は比較的緩和されていますが、詳細は国連の公式サイトなどで最新のガイドラインを確認することが重要です。無断使用や誤った使用は避けるべきです。