中国で感染が拡大するヒトメタニューモウイルス(hMPV)
現在、中国ではヒトメタニューモウイルス(Human Metapneumovirus、hMPV)の感染が増加しており、特に医療機関が混雑している地域もあります。このウイルスは冬季に流行しやすく、特に免疫力の弱い乳幼児や高齢者に影響を与えることが知られています。
一方で、2025年1月28日から始まる春節(旧正月)は、中国全土および海外への移動が大規模に行われる時期であり、感染拡大のリスクが懸念されています。春節期間中に予想される国内外の旅行者数は約90億人に達すると見込まれており、多くの人が公共交通機関や観光地に集まるため、感染の広がりが加速する可能性があります。
ヒトメタニューモウイルスとは?
ヒトメタニューモウイルスは、呼吸器感染症を引き起こすウイルスで、症状は軽度から重度まで幅広いのが特徴です。
- 主な症状
- 鼻水や鼻づまり
- 咳
- 喉の痛み
- 発熱(軽度から中等度)
- 呼吸困難やゼーゼー音(重症例)
- 食欲不振やぐったりする(特に乳幼児の場合)
通常は軽症で済むことが多いものの、以下のような人々は重症化するリスクが高まります。
- 乳幼児: 初めてこのウイルスに感染する可能性が高いため、免疫が未熟。
- 高齢者: 基礎疾患がある場合、重症化リスクが増加。
- 免疫力が低下している人: がん治療中や免疫抑制剤を服用中の方など。
春節に向けた注意点
春節中は家族や友人との集まり、旅行、公共交通機関の利用が増えるため、以下の点に注意してください。
- 感染予防対策を徹底
- 手洗い: 外出先や食事前後に石鹸と流水で20秒以上の手洗いを実施。
- マスク着用: 人が多い場所や公共交通機関を利用する際にマスクを着用。
- 消毒: アルコール消毒液を携帯し、こまめに手指を消毒。
- 症状がある場合は外出を控える 発熱や咳などの症状がある場合は外出を控え、他人との接触を避けるよう心掛けましょう。
- 混雑を避けた行動を 観光地や交通機関のピーク時を避け、移動や旅行を計画する。
- 地域の感染状況に注意 中国国内や訪問先の地域での感染状況を確認し、リスクが高い地域を避ける。
ヒトメタニューモウイルスへの対策
ヒトメタニューモウイルスには特効薬やワクチンはありませんが、症状を緩和し重症化を防ぐための対策を行うことが重要です。
- 軽度の症状の場合
- 十分な水分補給と休養を取る。
- 加湿器を使って室内の湿度を保ち、呼吸を楽にする。
- 解熱剤や咳止め薬を医師の指示のもと使用。
- 重症の兆候がある場合
- 呼吸困難、ゼーゼー音、高熱が続く場合は、速やかに医療機関を受診。
まとめ
中国で感染が拡大しているヒトメタニューモウイルスは、春節期間中の大規模な人の移動によりさらに広がる可能性があります。感染を防ぐためには、基本的な予防策を徹底し、症状が出た場合は早めに医療機関に相談することが大切です。春節を健康で安全に過ごすために、感染対策をしていきましょう。