Google広告を運用している方で、「パフォーマンスレポートを見ると『すべてのコンバージョン』には数値があるのに、『コンバージョン』の項目には表示されない…」といった経験はありませんか?
この現象は、Google広告の自動入札が正しく機能しない原因となるため、早急な対処が必要です。今回は、この「『コンバージョン』で計測されない」という問題に直面した際に、すぐに確認すべき3つの設定ポイントについてご紹介します。
なぜ「コンバージョン」と「すべてのコンバージョン」で差が出るのか?
まず、この2つのコンバージョン項目の違いを理解しておきましょう。
- すべてのコンバージョン: Google広告で設定されたすべてのコンバージョンアクション(購入、問い合わせ、マイクロコンバージョンなど)の合計数を計測します。機械学習の最適化指標とは直接連動しません。
- コンバージョン: Google広告の機械学習による自動入札の最適化指標として「選択された」コンバージョンアクションのみを計測します。ここでの計測データが、入札戦略や広告配信の最適化に直接影響します。
つまり、「コンバージョン」の数値が上がらないと、せっかくの自動入札の恩恵を受けられず、広告パフォーマンスの改善が進まない可能性があります。
「コンバージョン」で計測されない時に確認すべき3つのポイント
「すべてのコンバージョン」では計測されるのに、「コンバージョン」では計測されない場合、以下の3つの設定を確認してください。これらの設定が適切でないと、せっかくのコンバージョンが自動入札の学習データとして活用されません。
1. コンバージョンアクションの「最適化」設定が「サブ」になっている
Google広告では、個々のコンバージョンアクションごとに「メイン」と「サブ」のどちらかを設定できます。
- メイン: この設定にすると、そのコンバージョンアクションが機械学習による最適化の指標として使用され、「コンバージョン」の項目に計測されます。
- サブ: この設定にすると、そのコンバージョンアクションは機械学習の指標としては使われず、「コンバージョン」には計測されませんが、「すべてのコンバージョン」には計測されます。
解決策: 「コンバージョン」で計測したいアクションは、必ず「メイン」に設定されていることを確認してください。
2. キャンペーンの「コンバージョン目標」設定で対象外になっている
Google広告には、キャンペーンごとに機械学習で活用するコンバージョンを限定する機能があります。複数のコンバージョンを設定している場合、特定のキャンペーンで計測したいコンバージョンが、そのキャンペーンの目標設定から意図せず外れている可能性があります。
キャンペーンの目標設定には、アカウント全体のデフォルト設定を使用するパターンと、キャンペーン固有の設定をするパターンがあります。
解決策
- 対象キャンペーンの設定画面を開きます。
- 「コンバージョン」セクションを確認し、「キャンペーン固有のコンバージョン目標を使用する」が選択されていないかチェックします。
- もし選択されている場合、そのキャンペーンで計測したいコンバージョンアクションが、「目標を選択」リストに含まれているかを必ず確認してください。含まれていない場合は追加しましょう。
3. 対象コンバージョンの「カテゴリー」が機会学習の指標になる設定になっていない
Google広告のコンバージョンは、「購入」「リードフォームの送信」「お問い合わせ」など、様々なカテゴリーに分類されます。これらのカテゴリーごとに、機械学習に活用するかどうかを設定することができます。
- アカウントのデフォルトの目標として使用: この設定にすると、そのカテゴリーのコンバージョンは機械学習で活用されます。
- アカウントのデフォルトの目標として使用しない: この設定にすると、そのカテゴリーのコンバージョンは機械学習で活用されません。
また、目標カテゴリーの中でも、個々のコンバージョンアクションと同様に「メイン」と「サブ」の設定が存在します。
解決策
- Google広告の管理画面で「ツールと設定」>「測定」>「コンバージョン」へ進みます。
- 「目標カテゴリ」の編集画面を開きます。
- 計測したいコンバージョンのカテゴリーが「アカウントのデフォルトの目標として使用」に設定されているか、そしてそのカテゴリー内の目標が「メイン」として扱われているかを確認しましょう。
正しい設定で自動入札を機能させよう
「すべてのコンバージョン」では計測されるのに「コンバージョン」では計測されない、という状況は、あなたの広告が自動入札の恩恵を十分に受けられていないサインです。今回ご紹介した3つのポイントを順にチェックし、設定を修正することで、自動入札が正しく機能し、広告パフォーマンスの改善に繋がるはずです。
これらのチェックポイントを参考に、あなたのGoogle広告アカウントの設定を見直してみてください。