6月3日 17:53 「病気」ではなく「人」を診る【総合診療】という新しい医療のカタチ | マーケターのつぶやき

「病気」ではなく「人」を診る【総合診療】という新しい医療のカタチ

今、TBSで放送中の日曜劇場『19番目のカルテ』で、松本潤さん演じる主人公が「病ではなく、人」を診る姿が大きな反響を呼んでいます。

彼が専門とするのが、まさに総合診療医

「なんだか体調が悪いけど、何科に行けばいいかわからない」

そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。日本の医療は、心臓なら循環器内科、胃なら消化器内科というように、臓器や病気別に専門家が分かれているのが一般的です。しかし、体の悩みはいつも一つの臓器だけとは限りません。そんな時に頼りになるのが、総合診療医なのです。

まるで医療の「司令塔」!総合診療医の役割とは

総合診療医は、特定の臓器や病気に限定せず、患者さんを心身ともにまるごと診てくれる、いわば「医療の司令塔」のような存在です。

  • 初期診断のプロ: 風邪や生活習慣病から原因不明の体調不良まで、どんな症状でも相談に乗ります。患者さんの話から体の全体像を把握し、病気の全体像を見極めます。
  • 医療の橋渡し役: 専門的な検査や治療が必要な場合は、適切な専門医や医療機関へスムーズに紹介してくれます。
  • 多疾患のマネジメント: 複数の持病を抱える方の治療方針や薬の管理を一括して引き受け、安全で効率的な医療を提供します。

あなたも当てはまるかも?総合診療医への相談を検討してみては

「総合診療医」という言葉はまだ馴染みがないかもしれませんが、実は多くの方がそのサポートを必要としています。

特に、以下のような悩みや状況の方は、総合診療医への相談を検討してみる価値があるでしょう。

  • 何科に行けばいいか分からない方: 「頭痛もするし、お腹も痛い」「風邪のような症状が長引いている」など、症状が多岐にわたる方。
  • 複数の病院に通っている方: いくつもの病院にかかり、たくさんの薬を飲んでいて、もっとシンプルに管理してほしいと思っている方。
  • 原因不明の不調に悩んでいる方: 健康診断では問題ないと言われたのに、「なんとなく体がだるい」「疲れが取れない」といった不調が続いている方。
  • 予防医療や健康相談をしたい方: 病気になる前に、生活習慣の改善や健康維持について、全体的な視点からアドバイスがほしい方。

なぜ、今【総合診療医】が求められているのか

海外では一般的な総合診療医ですが、日本ではまだその役割が十分に知られていないのが現状です。これは、専門医制度が主流だった日本の医療の歴史が大きな要因です。しかし、現代社会の構造変化を背景に、総合診療医の必要性はますます高まっています。

  • 超高齢化社会: 複数の持病を抱える高齢者が増え、臓器別の専門医だけでは対応が難しくなっています。
  • 医療の複雑化: 専門分化が進む一方で、患者さん自身が適切な医療へとたどり着くことが難しくなっています。
  • 多様な健康課題: 病気だけでなく、介護や心の悩み、生活習慣病の予防など、健康に関する課題が多様化しています。

総合診療医は、これらの課題を包括的に捉え、患者さん一人ひとりに寄り添った医療を提供できる専門家なのです。

どこに行けば【総合診療医】に会えるの?

ここまで総合診療医の魅力をお伝えしてきましたが、残念ながらまだどの病院にもいるわけではありません。日本の医療は専門医制度が中心のため、「総合診療科」を独立して設けている病院は限られているのが現状です。

総合診療医、または総合診療を専門とする医師は、主に大学病院や地域の基幹病院の「総合診療科」、または地域に根差したクリニックなどで活躍しています。

もしあなたが総合診療医を探したいと思ったときは、以下の方法を試してみてください。

  • インターネットで検索する: 「(お住まいの地域名) 総合診療科」と検索してみるのが一番手軽です。
  • 「総合診療専門医」の資格を確認する: 日本専門医機構が認定する「総合診療専門医」は、総合的な視点で患者さんを診る専門家です。この資格を持つ医師を探してみるのも良いでしょう。

総合診療医についてもっと知りたい方へ

Q. 総合診療医は、かかりつけ医と同じですか?

A. 多くの総合診療医は、かかりつけ医としての役割を担いますが、専門性の幅が広い点が異なります。総合診療医は、どの専門医に紹介すべきかを見極めるスキルや、複数の病気を包括的に診る専門性を持っています。

Q. 総合診療科に行けば、すべての病気が治りますか?

A. 総合診療医は「なんでも治せる医者」ではありません。専門的な治療が必要な場合は、適切な専門医に紹介する「橋渡し役」を担います。

Q. 総合診療科を受診するメリットは何ですか?

A. 専門科がわからずにたらい回しにされることが減ったり、複数の病院に通う手間が省けたりします。また、病気だけでなく、心や生活環境を含めた「人」を診てくれるため、より安心感のある医療を受けられます。

ドラマでも話題!「病気ではなく、人」を診る医療

総合診療という言葉がまだ馴染みが薄いのは事実です。これまでの日本の医療は、臓器別の専門医が中心だった歴史があるためです。しかし、少子高齢化が進む現代において、その重要性は高まっています。

最近、日曜劇場で放送中の『19番目のカルテ』でも、この総合診療医がテーマになっています。主人公は、患者さんの「病気」だけを診るのではなく、その人の生活背景や人生にまで踏み込んで、その人に本当に必要な医療を探していきます。

このドラマが示しているように、総合診療医とは、単に症状を治すだけでなく、患者さんの人生そのものに寄り添う、真のパートナーなのです。

「ちょっとしたことだけど、どこに相談すればいいかわからない…」

そんな悩みを抱えた時、近くのクリニックで「総合診療」の看板を探してみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの健康を支える心強い味方になってくれるはずです。