毎年、梅雨が明けると同時にやってくる猛暑。本格的な夏が来る前に、エアコンの試運転はお済みですか?「まだ大丈夫」と思っていると、いざ使いたい時にトラブルが発生し、後悔することになりかねません。
本格的な夏(7月~8月)が来る前の5月~6月上旬頃に試運転を済ませておくのがおすすめです。今回は、夏本番を安心して迎えるために、エアコンの試運転の重要性とその方法についてご紹介します。
なぜ試運転が重要なのか?
「去年まで動いていたから大丈夫」と油断していませんか? エアコンは使わない期間が長いと、以下のような様々なトラブルが発生する可能性があります。
- 故障や不具合の早期発見 夏本番になってから「冷えない!」「動かない!」といったトラブルに気づいても、修理依頼が殺到している時期だと、業者の手配に時間がかかり、エアコンなしで暑い日を過ごすことになりかねません。早めに試運転をしておくことで、不具合があれば余裕を持って対応できます。
- カビや異臭の確認・対策 エアコン内部は湿気がこもりやすく、カビが繁殖しやすい場所です。試運転で送風口から嫌な臭いがしないか確認しましょう。カビ臭い場合は、フィルター掃除だけでなく、プロによるクリーニングが必要かもしれません。
- 電気代の節約と効率アップ フィルターが汚れていたり、内部に不具合があったりすると、エアコンは余計な電力を使ってしまいます。きちんと動くか確認し、必要であれば掃除や修理を行うことで、エアコンを効率的に稼働させ、無駄な電気代を抑えることができます。
試運転をしないとどうなる? デメリットを理解しておこう
試運転をせずに夏を迎えてしまうと、以下のような困った状況に陥る可能性があります。
- 真夏にエアコンが使えない! 最も避けたいのがこの状況です。猛暑日に突然エアコンが動かなくなると、熱中症のリスクが高まります。特に小さなお子さんやお年寄りのいるご家庭では命にかかわることも。
- 修理業者が見つからない、対応が遅れる 夏本番になると、エアコンの修理依頼が集中し、業者の予約が取りにくくなります。場合によっては数週間待ち、といったケースも。すぐに直してもらえず、不快な環境で過ごすことになってしまいます。
- 高額な費用がかかることも 不具合を放置した結果、軽い修理で済むはずが、より深刻な故障に繋がってしまう可能性もあります。また、緊急対応の修理は通常よりも費用が高くなることもあります。
エアコン試運転のやり方
試運転はとても簡単です。以下の手順で行いましょう。
- 運転モードを「冷房」に設定 室温より3℃以上低い温度(例えば26℃など)に設定し、風量は「強風」にしましょう。
- 30分~1時間程度運転 しっかりと運転させ、エアコンの稼働状況を確認します。
- 以下のポイントをチェック!
- 冷たい風がしっかり出ているか?
- 異音や異臭はしないか?
- 室内機から水漏れはないか?
- 室外機の近くにあるドレンホースから水が出ているか? (ドレンホースとは、エアコン運転時に発生する水(結露水)を屋外へ排出するためのホースです。ここから水が出ていないと、室内に水漏れする原因になります。)
もし、これらのチェック項目で気になる点が見つかった場合は、速やかに専門業者に相談しましょう。
試運転で異常があったら?
もし試運転中に水漏れ、異音、異臭などの異常が見つかった場合は、すぐに運転を停止し、電源プラグを抜いてください。 無理に使い続けると、故障が悪化したり、最悪の場合、火災や漏電の危険性もあります。
特に注意したい異常のサイン
- 異音:
- 「カタカタ」「ガラガラ」:部品の緩みや異物の混入が考えられます。
- 「キュルキュル」「キーキー」:モーターやファン、ベアリングの劣化の可能性があります。
- 「ブーン」という大きな振動音:室外機からの音であれば、熱交換器やファンモーターの不具合、または設置場所の問題も考えられます。
- 異臭:
- カビ臭い、下水のような臭い:内部にカビが大量発生している可能性が高いです。
- 酸っぱい臭い、雑巾のような臭い:カビや雑菌の繁殖、または内部の汚れが原因です。
- 焦げ臭い臭い:最も危険なサインです。内部の配線ショートや部品の焼損が考えられます。すぐに電源を抜き、専門業者に連絡してください。火災につながる恐れがあります。
- 水漏れ:
- 室内機から水がポタポタ落ちてくる場合、ドレンホースの詰まりや内部の結露水の受け皿(ドレンパン)の破損などが考えられます。放置すると床や家具の損傷、漏電の原因にもなります。
ご自身の判断で対処しようとせず、必ず取扱説明書を確認するか、専門業者に相談しましょう。
エアコンの清掃・修理費用の目安
エアコンの清掃や修理にかかる費用は、地域、エアコンの種類、依頼する業者、作業内容によって大きく異なります。一般的な目安としては以下の通りです。
- エアコンクリーニング(家庭用壁掛け・お掃除機能なし)
- 相場:8,000円~15,000円程度
- エアコンクリーニング(家庭用壁掛け・お掃除機能付き)
- 相場:15,000円~25,000円程度
- お掃除機能付きは構造が複雑なため、通常タイプより費用が高くなります。
- 修理費用
- 故障内容によって大きく変動します。簡単な部品交換や冷媒ガス補充であれば数千円~数万円で済むこともありますが、コンプレッサーなど主要部品の交換になると高額(数万円~10万円以上)になることもあります。
業者に依頼する際のポイント
清掃や修理を専門業者に依頼する際は、以下の点に注意すると安心です。
- 複数の業者から見積もりを取る: 料金体系やサービス内容を比較検討し、納得のいく業者を選びましょう。
- 明確な料金提示と追加料金の有無を確認: 作業後に想定外の費用を請求されないよう、事前にしっかり確認しましょう。
- 実績と評判をチェック: 口コミやレビュー、業者のウェブサイトで実績を確認するのも良い方法です。
- 保証内容を確認: 作業後の保証期間や内容についてもしっかり確認しておくと安心です。
エアコンの寿命? 買い替えのサインかも
もしエアコンを10年以上使用していて、試運転で不具合が見つかった場合、修理と買い替えの両方を視野に入れることをおすすめします。
- 修理費用が高額になる可能性: 部品の供給が終了している場合や、修理費用が高額になるケースがあります。
- 省エネ性能の向上: 最新のエアコンは省エネ性能が格段に向上しており、買い替えることで長期的に電気代を節約できる可能性があります。
修理か買い替えか悩んだら、専門業者に相談し、総合的に判断してもらいましょう。
試運転で問題がなかったとしても…
試運転で問題がなかったとしても、より快適にエアコンを使うために、本格的な夏が始まる前に以下の点も確認しておきましょう。
- フィルターの掃除: 2週間に一度が目安です。自動お掃除機能付きエアコンも、ダストボックスのゴミ捨てや定期的なフィルター清掃が必要です。
- 室外機の周り: 室外機の周りに物があると、空気の流れが妨げられ、エアコンの効率が落ちることがあります。周りを整理整頓し、風通しを良くしておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1: エアコンの試運転は毎年必要ですか?
A1: はい、毎年行うことを強くおすすめします。エアコンは長期間使用しないと、内部の部品や配管に不具合が生じることがあります。早期に異常を発見することで、夏本番でのトラブルを未然に防ぐことができます。
Q2: 試運転中に冷たい風が出ない場合はどうすればいいですか?
A2: まずは、フィルターが汚れていないか確認し、掃除をしてみてください。次に、室外機の周りに空気の流れを妨げるものがないか確認しましょう。これらを試しても改善しない場合は、冷媒ガス不足や内部の故障が考えられるため、専門業者への連絡が必要です。
Q3: エアコンのフィルターはどれくらいの頻度で掃除すればいいですか?
A3: 一般的に、フィルターは2週間に1回程度の掃除が推奨されています。ホコリがたまると、冷暖房の効率が落ちたり、電気代が高くなったり、カビや嫌な臭いの原因にもなります。自動お掃除機能付きエアコンでも、ダストボックスのゴミ捨ては定期的に行いましょう。
まとめ
本格的な暑さが始まる前にエアコンの試運転と点検を行うことは、夏の快適な暮らしを守るために非常に重要です。5月~6月上旬の今こそ、ぜひ試運転を済ませて、来る夏を安心して迎えましょう!
あなたのエアコンは、この夏も快適に動いてくれそうですか?
早めにエアコンのチェックをするようにしましょう。