危険な感染症「SFTS」に注意!マダニから身を守るためのポイント | マーケターのつぶやき

危険な感染症「SFTS」に注意!マダニから身を守るためのポイント

近年、「致死率が10%を超えることもある」という非常に危険な感染症が、静かに広がり続けているのをご存じでしょうか? その病気の名前はSFTS(重症熱性血小板減少症候群)。多くの場合、原因は「たかがマダニ」と軽視されがちな、小さな虫です。今回は、あなたの身近に潜むSFTSの脅威と、あなた自身や大切な人を守るための確実な予防策をお伝えします。

SFTSとは?

SFTSは、SFTSウイルスによって引き起こされる感染症です。ウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染します。発熱や倦怠感といった風邪のような症状から始まりますが、その危険性は全く異なります。高熱が数日から1週間続き、全身の倦怠感は通常の疲労とは比べ物にならないほどひどいものです。

さらに、この病気は血液中の血小板や白血球を急激に減少させます。血小板が減ると、出血が止まりにくくなり、内出血を起こすリスクが高まります。また、白血球の減少は、細菌などの病原体と戦う免疫力が低下することを意味し、他の感染症にもかかりやすくなります。

特に、高齢者や糖尿病、心臓病といった基礎疾患を持つ方は、免疫力が低下していることが多く、重症化するリスクが極めて高いとされています。SFTSには有効な治療薬やワクチンがないため、マダニに咬まれないようにすることが最も重要な予防策となります。

なぜ今、SFTSに注意すべきなのか?

SFTSはもはや、一部の地域だけの問題ではありません。国立感染症研究所の報告によると、SFTSの年間報告数は2013年の初報告以来、毎年増加傾向にあり、2023年には過去最多の患者が報告されました。近年、シカやイノシシといった野生動物の生息域が拡大していることが、SFTSを媒介するマダニが増加している一因と考えられています。

これまで西日本が中心だったSFTSは、近年では関東や東北地方でも感染例が確認されています。また、SFTSウイルスに感染した犬や猫から人間が感染する事例も報告されており、ペットを飼っている方も注意が必要です。

マダニから身を守る3つのポイント

SFTSの予防には、マダニとの接触を避けることが不可欠です。以下の3つのポイントを意識して、日頃から対策を徹底しましょう。

  • 肌の露出を避ける 山や畑、草むらなどに入る際は、長袖・長ズボンを着用し、サンダルなどは避けましょう。帽子や手袋も有効です。服の裾や袖口はしっかりと絞ることで、マダニの侵入を防ぎます。
  • 虫よけ剤を活用する ディートやイカリジンが含まれたマダニ用虫よけ剤を、肌や衣服に適切に使用しましょう。特に足元や首元を念入りにスプレーしてください。
  • 帰宅後はすぐに確認 屋外活動から帰宅した際は、すぐに服を脱ぎ、体にマダニが付着していないか確認しましょう。特にわきの下、足の付け根、耳の後ろといった柔らかい部分に注意が必要です。

もしマダニに咬まれたら?

残念ながら、マダニは咬むときに痛みやかゆみをほとんど感じさせないため、ほとんどの場合、咬まれたことに気づきません。そのため、以下のポイントを参考に、屋外活動後には必ず全身のチェックを行いましょう。

マダニの見つけ方

  1. ホクロやイボに似ていないか? マダニは吸血すると体が膨らみ、直径5mmから大きいもので1cm近くになることがあります。この状態は、ホクロや黒いイボのように見間違いやすいため、体の異物には注意深く目を向けましょう。
  2. 特に柔らかい部分をチェック マダニは、わきの下、足の付け根、首、耳の後ろといった、皮膚の柔らかく、露出している部分に付着しやすい傾向があります。これらの部位を重点的に確認してください。

もしマダニが皮膚に食いついているのを見つけたら、無理に引き抜かないでください。無理に取ろうとすると、マダニの一部が皮膚内に残ったり、ウイルスを注入してしまったりする危険性があります。

マダニに咬まれた場合は、速やかに医療機関(皮膚科など)を受診し、適切な処置を受けてください。また、発熱などの体調不良がある場合は、必ず医師にマダニに咬まれたことを伝えてください。

よくある質問(FAQ)

Q: マダニはどこにいますか?

A: 森林や草むら、畑だけでなく、庭や公園の草むらにも生息しています。

Q: 咬まれたマダニを自分で取ってはいけないのはなぜですか?

A: 無理に取ると、マダニの口器(頭部)が皮膚内に残り、炎症や感染の原因になることがあります。また、マダニが刺激されて、体内のウイルスを逆流させてしまうリスクがあります。

Q: ペットからSFTSに感染することはありますか?

A: はい、あります。SFTSウイルスに感染した犬や猫から、咬まれたり、体液に触れたりすることで感染する事例が報告されています。ペットの散歩後も、マダニが付いていないか確認することが大切です。

Q: いつ頃、マダニに特に注意すべきですか?

A: マダニの活動が活発になる春から秋にかけては特に注意が必要です。ただし、冬場でも暖かい日には活動することがあるため、一年を通して警戒する必要があります。

まとめ

SFTSは、マダニが媒介する致死率の高い危険な感染症です。痛みや痒みがないため、咬まれたことに気づきにくく、事前の予防と事後の確認が何よりも重要です。

  • 予防: 草むらに入る際は、肌を露出しない服装と虫よけ剤を使いましょう。
  • 確認: 帰宅後は、ホクロやイボに似た異物がないか、全身をしっかりとチェックしましょう。
  • 対処: もしマダニが付着しているのを見つけたら、自分で取ろうとせず、すぐに医療機関を受診してください。

これらの対策を徹底することで、あなた自身や大切な人を守ることができます。