「スマートキーの車だから安心」と思っていませんか? 窓ガラスを割ったり、鍵をこじ開けたりすることなく、たった数分で車を盗み去る、信じられないような手口が横行しています。それがCANインベーダーです。従来の防犯対策が通用しないこの新手の盗難方法を知り、大切な愛車を盗難被害から守りましょう。
CANインベーダーとは?
CANインベーダーとは、車のコンピューターネットワークである「CAN(Controller Area Network)」に不正にアクセスし、わずか数分で車のドアロックを解除し、エンジンを始動させてしまう手口です。
従来の車両盗難と大きく違うのは、窓ガラスを割ったり鍵をこじ開けたりする物理的な破壊を伴わない点です。犯人は、車のバンパー内部などに隠されているCAN信号の配線に特殊な機器を接続するだけで、あたかも正規のキー操作であるかのように車をだまし、盗み出してしまいます。
特に、トヨタやレクサスの高級SUVなどが被害に遭いやすいとされています。
CANインベーダーの恐ろしい特徴
この手口が恐ろしいのは、従来の対策が通用しない点にあります。その巧妙さが、被害を拡大させる大きな要因となっています。
- 物理的な破壊がない 「車上荒らし」のように窓ガラスが割られたり、ドアがこじ開けられたりする物理的な破壊が一切ありません。そのため、犯行が隣人や通行人に気づかれにくく、被害者自身も盗難されたことにすぐには気づかないケースが多くあります。
- スマートキーがなくても盗難可能 スマートキーの電波を中継して盗む「リレーアタック」と異なり、キーが家の中にあっても盗難が可能です。犯人は車本体のシステムに直接侵入するため、キーの有無は関係ありません。
- 短時間で盗難完了 熟練した犯人であれば、わずか数分で車のシステムに侵入し、エンジンを始動させて自走で盗み去ることができます。この信じられないほどのスピードが、犯行を阻止する時間をほとんど与えません。
特に狙われやすい車種は?
CANインベーダーによる盗難被害は、全ての車種で起こりえますが、特に狙われやすい傾向にある車種があります。市場価値が高く、盗難後の転売ルートが確立されているため、盗難グループに狙われやすいと考えられています。
【特に被害の多い車種】
- トヨタ: ランドクルーザー、プリウス、アルファード、ハイエースなど
- レクサス: LX、LS、GS、NXなど
もしあなたの愛車がこれらの車種に該当する場合は、特に早めの対策を検討することをお勧めします。
愛車を守るために今すぐできる対策
CANインベーダーに対抗するためには、電子的な対策だけでなく、犯行を諦めさせるための物理的な対策を組み合わせることが重要です。
- 物理的なロックを導入する: ハンドルロックやタイヤロックは、犯行に時間をかけさせる効果があります。視覚的に「この車は盗みにくい」と思わせることで、狙われるリスクを減らせます。
- CANインベーダー対策専用のプロテクターを装着する: 車のCAN配線へのアクセスを物理的に防ぐ専用のプロテクターや、市販の高性能カーセキュリティシステムを導入することも有効です。
- GPS追跡装置を設置する: 万が一盗難されてしまった場合でも、車両の位置をリアルタイムで把握できるGPSトラッカーは、早期発見につながる可能性を高めます。
最新の車両盗難手口は、あなたの想像をはるかに超えるスピードと技術で進化しています。大切な愛車を守るために、複数の対策を組み合わせ、防犯意識をさらに高めましょう。
よくある質問(FAQ)
Q: CANインベーダーはすべての車で可能ですか?
A: CAN通信システムを搭載している車種であれば、どの車でも可能性はあります。特に、近年登場したスマートキー搭載の車はリスクが高い傾向にあります。
Q: どのような場所で盗難被害が多いですか?
A: 自宅の駐車場や、商業施設の駐車場など、長時間車が停められている場所で被害に遭うケースが多いです。
Q: 対策グッズはどこで購入できますか?
A: オートバックスやイエローハットといったカー用品店、またはインターネット通販サイトで購入できます。購入する際は、対応車種や機能をよく確認しましょう。
Q: 車両保険は適用されますか?
A: 一般的に、車両盗難は車両保険の補償対象となります。ただし、保険会社や加入プランによって条件が異なるため、ご自身の保険契約内容を事前に確認することをお勧めします。
まとめ
CANインベーダーは、従来の常識が通用しない最新の車両盗難手口です。物理的な破壊がなく、わずか数分で愛車が盗まれてしまう恐れがあります。
- 物理的対策が鍵: ハンドルロックやタイヤロックを使い、犯行を諦めさせることが重要です。
- 電子対策との併用: 専用プロテクターや高性能セキュリティシステム、GPS追跡装置を組み合わせることで、さらに防犯効果を高められます。
- 自分の車は大丈夫?: 特に狙われやすい車種を確認し、早めの対策を検討しましょう。
あなたの愛車を守るために、複数の対策を組み合わせて、盗難リスクに備えましょう。