2025年10月6日(月)、LINEヤフー株式会社は、Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)(YDA)のオーディエンスリスト機能において、ターゲティングの自由度を高めるアップデートを実施しました。
今回の機能追加「ユーザーの拡張範囲」により、広告主はキーワードターゲティングの配信対象を意図的に「狭く」絞り込めるようになり、広告運用における獲得効率(CPA/CVR)の改善がこれまで以上に容易になります。
1. このアップデートは何が変わったのか?
今回のアップデートは、YDAの「高度なセグメント」でキーワードを指定する際に、ターゲティングの範囲を「広い」または「狭い」から選択できるようになった点が最大の特徴です。この新しい設定項目を「ユーザーの拡張範囲」と呼びます。
2. 【導入背景】なぜこの機能が必要とされたのか?
このアップデートの背景には、従来のターゲティング手法の「制約」がありました。
従来の挙動:リーチ重視の「自動拡張」
これまでの高度なセグメントでは、設定したキーワードに関連する広範囲のユーザーに自動的にリーチを拡張する仕様でした。
この「広げる」機能のおかげで配信ボリュームを確保しやすくなった反面、CPAを厳しく管理したい場合や、より確度の高いユーザー層に絞りたい場合に、運用者側で配信範囲を「狭める」選択肢がありませんでした。
新機能による解消:戦略的な「絞り込み」が可能に
新しく「ユーザーの拡張範囲」が追加されたことで、従来の「リーチ最大化(広い)」の選択肢に加え、「獲得効率最適化(狭い)」という戦略的な選択が可能となりました。
3. 「広い」と「狭い」の使い分け戦略
配信目的やキャンペーンの状況に応じて、この二つの設定値を戦略的に使い分けることが重要です。
3-1. 「広い」(初期設定)の特徴
- 配信の特徴: キーワード関連性の高い広範囲にリーチします。これは従来の挙動に近い設定です。
- 最適な活用シーン: 新規ユーザーへの認知拡大、配信ボリュームの確保、予算の確実な消化を目指す場合に最適です。
3-2. 「狭い」の特徴
- 配信の特徴: キーワードにより近い、熱量の高いユーザーに限定して配信します。
- 最適な活用シーン: CPAの改善・獲得効率の最大化、配信品質の向上を追求したい場合に役立ちます。
活用シーン例
- 予算消化に悩むとき:設定を「広い」のまま維持し、リーチを広げ、配信機会を確保します。
- CPAが高騰したとき:設定を「狭い」に変更し、より確度の高いユーザー層に絞り込むことで、無駄な広告費を削減します。
4. 運用者が知っておくべき重要事項(FAQ)
新機能の導入に際し、運用者が疑問に持ちやすいポイントをまとめました。
Q1. 「狭い」に設定しても、「推定ユーザーサイズ」は変わらない?
A1. いいえ、変わりません。「推定ユーザーサイズ」はあくまで参考値であり、「広い」「狭い」どちらを設定しても数値は同一で表示されます。実際の配信対象範囲は、設定に応じて内部的に調整されます。
Q2. 従来の配信ボリュームを維持するにはどうすれば?
A2. 初期設定である「広い」をご利用ください。設定を変更しなければ、従来の配信傾向に近い形で運用が継続されます。
Q3. 「狭い」に切り替える際の注意点は?
A3. 配信対象が絞られるため、配信ボリュームが減少する可能性があります。CPA改善効果と配信量減少リスクを天秤にかけ、効果検証期間を設けて慎重に運用を切り替えることを推奨します。
まとめ
YDA ディスプレイ広告(運用型)の「ユーザーの拡張範囲」機能は、キーワードターゲティングの運用に大きな進化をもたらしました。
「広い」でリーチを広げる戦略と、「狭い」で効率を極める戦略を柔軟に切り替えることで、広告主様はキャンペーンの成果を最大化できます。ぜひこの新たなコントロール機能をご活用ください。

