🎍 フライングおせちとは?百貨店が注目する“元日前に楽しむおせち”の新需要 | マーケターのつぶやき

🎍 フライングおせちとは?百貨店が注目する“元日前に楽しむおせち”の新需要

まだ暑さの残る2026年8月、大手百貨店では早くも2027年の正月に向けたおせち商戦が始まりました。

今回の商戦で注目されているキーワードの一つが「フライングおせち」です。

おせちといえば、元日の朝に重箱を開き、家族で味わうイメージが一般的です。しかし、フライングおせちは新年を待たず、年末からおせちや正月らしいごちそうを楽しむスタイルを指します。

ただし、元日前におせちを食べる習慣そのものが新しく生まれたわけではありません。以前から一部の地域や家庭にあった食べ方を、百貨店が現代の生活スタイルに合った新たな需要として打ち出している点が今回の特徴です。

🍱 フライングおせちとは?

フライングおせちとは、元日を待たずに年末から楽しむおせちのことです。

「フライング」には、予定された時期より早く始めるという意味があります。一般的には元日から食べると思われているおせちを、大みそかやそれより前に味わうことから、このように呼ばれています。

現時点では、料理の種類や食べる日について明確な定義があるわけではありません。

伝統的な祝い肴を詰めたお重に限らず、カニ料理やブリしゃぶ、海鮮鍋、オードブルなど、年末の集まりで楽しめる華やかな料理も含めて提案されています。

特定の商品名というよりも、年末から正月料理を楽しむ食べ方を表した言葉と捉えるのが分かりやすいでしょう。

🏬 百貨店がおせちの“フライング需要”に注目

2026年8月24日、大手百貨店が2027年向けのおせちを相次いでお披露目しました。

松屋銀座では、カニを盛り込んだ三段重のほか、年末から楽しみやすいブリしゃぶや海鮮鍋のセットなどを用意。新年を待たずにおせちやごちそうを食べる「フライングおせち」の需要を意識した品ぞろえとなっています。

従来のおせちは、元日から家族で食べる正月料理という位置づけが中心でした。

一方、フライングおせちは、年末の家族団らんや帰省、友人との集まりなどにもおせちを取り入れてもらう提案です。百貨店にとっては、おせちを食べる機会を元日だけに限定せず、年末まで広げられる可能性があります。

昔からある料理を売るだけでなく、「いつ食べるか」という場面まで提案する販売戦略といえそうです。

📅 2027年のカレンダーもフライング需要を後押し

百貨店がフライングおせちに注目する背景には、2026年末から2027年始にかけての曜日配列があります。

2026年12月28日は月曜日、2027年1月3日は日曜日です。その翌日の1月4日は月曜日となるため、正月三が日が終わると、すぐに仕事始めを迎える人も多くなると考えられます。

年末側は休暇を取りやすい一方で、年が明けてからゆっくり過ごせる期間は短いと感じられるカレンダーです。

そのため、元日になってから正月料理を楽しむだけでなく、家族が集まりやすい年末からおせちや鍋料理を囲む需要が見込まれています。

フライングおせちは、単なる話題づくりではなく、その年の曜日や休暇の取り方に合わせた提案でもあるのです。

🦀 おせちに鍋料理が含まれるのはなぜ?

フライングおせちとして紹介される料理には、お重だけでなく、ブリしゃぶや海鮮鍋なども含まれています。

「鍋料理はおせちではないのでは?」と疑問に感じるかもしれません。

伝統的なおせち料理という意味では、鍋料理はおせちそのものではありません。しかし、百貨店が提案しているのは、お重の中身だけではなく、年末から正月にかけて家族で楽しめるごちそう全体です。

年末に鍋料理を囲み、大みそかや元日にお重を開けるなど、複数日に分けて食事を楽しむこともできます。

フライングおせちという言葉には、おせちの定義を変えるというより、年末年始の食卓を柔軟に楽しんでもらう狙いがあると考えられます。

⏳ 元日前におせちを食べる習慣は昔からあった

フライングおせちという言葉には新しさがありますが、大みそかにおせちを食べる文化は以前から存在しています。

特に北海道では、12月31日の夕方からおせち料理やごちそうを食べる家庭が多くあります。北海道だけでなく、青森県をはじめとする東北地方や信越地方などの一部にも、同様の習慣が残っています。

その背景にあるのが、「年取り膳」と呼ばれる風習です。

旧暦では日没から新しい一日が始まると考えられていたため、大みそかの日が暮れた時点で新年を迎えたとして、ごちそうを食べる習慣が生まれたといわれています。

北海道農政事務所も、大みそかにおせち料理を食べる家庭が多く、年取り膳には黒豆、昆布巻き、数の子、刺身、旨煮などが並ぶと紹介しています。

したがって、年末におせちを食べること自体は、新しい食文化ではありません。

💭 「年取り膳」と「フライングおせち」は同じ?

年取り膳とフライングおせちは、どちらも大みそかなどの年末に料理を楽しむ点では似ています。ただし、背景や使われ方には違いがあります。

年取り膳

年取り膳は、年神様を迎え、新しい年を祝うために大みそかにいただく伝統的な食事です。地域の歴史や家庭の習慣に根差しています。

フライングおせち

フライングおせちは、一般的には元日から食べると考えられているおせちを、年末から楽しむ現代的な呼び方です。百貨店などが新たな需要として提案する際にも使われています。

食べる時期だけを見れば近いものの、伝統的な年取り膳を単に「おせちを待ちきれずフライングした食べ方」と扱うのは適切ではありません。

今回のフライングおせちは、昔からある地域文化そのものではなく、現代の休暇や家族の集まり方に合わせて年末からおせちを楽しむスタイルと考えた方がよいでしょう。

🗣️「フライングおせち」という言葉も以前から存在

「フライングおせち」という言葉も、2026年に初めて登場したわけではありません。

以前から個人のブログやSNSでは、大みそかなどにおせちを開けた様子を「フライングおせち」と表現する投稿が見られました。

ただし、これまでは「元日まで待てずに食べてしまった」といった、個人的で少し冗談めいた使い方が中心でした。広く定着した商品ジャンルや市場用語だったとは言いにくいでしょう。

2027年向けのおせち商戦では、百貨店が年末から食べる需要を意識した商品をそろえ、ニュースでも「フライングおせち」として紹介されました。

新しい言葉が誕生したというより、これまで俗称に近かった言葉が、販売戦略を表すキーワードとして前面に出てきたといえます。

🍣 一人用の「弁当型おせち」も登場

2027年向けのおせち商戦では、食べる時期だけでなく、人数や食べ方の変化にも対応した商品が登場しています。

そごう・西武では、おせち料理に押し寿司などの米料理を組み合わせた、一人用の「弁当型おせち」を初めて用意しました。

大人数で一つのお重を囲む従来のスタイルだけでなく、一人でも華やかな正月料理を楽しみたいという需要に応えた商品です。

フライングおせちと弁当型おせちは同じものではありませんが、どちらも従来のおせちのあり方を現代の生活に合わせて広げる提案といえます。

  • 元日だけでなく年末から食べる
  • 家族全員が同じ日に集まらなくても楽しめる
  • 一人でも正月らしい食事を味わえる
  • お重だけでなく、寿司や鍋料理と組み合わせる
  • 帰省できない場合は実家へ贈る

おせちは、「元日に家族全員で同じ重箱を囲む料理」だけではなくなりつつあるようです。

📈 フライングおせちは百貨店にとって新たな商機に

おせちは季節性が非常に強く、食べる時期が限られる商品です。

そこで、元日だけでなく年末の食卓にも利用してもらえれば、おせちを購入する理由や食べる機会を広げられます。

例えば、年末と元日で別の料理を用意したり、年末用と新年用におせちを分けたりする楽しみ方も考えられます。鍋セットやオードブルを組み合わせれば、お重だけでは量や内容が合わなかった家庭にも提案しやすくなります。

また、帰省する日や家族が集まる日が家庭ごとに異なる現在では、元日という日付に限定しない方が選びやすい場合もあります。

百貨店が注目しているのは、単におせちを早く食べてもらうことではありません。おせちを囲む日時や人数、場面の選択肢を増やすことで、これまで取り込めなかった需要を開拓する狙いがあると考えられます。

🍽️ フライングおせちの楽しみ方

フライングおせちには、決まった食べ方はありません。家族の予定や年末年始の過ごし方に合わせて楽しめます。

年末の家族団らんに

家族が元日ではなく年末に集まる場合は、その日に合わせておせちを開けます。全員がそろうタイミングで楽しめることが利点です。

大みそ日の食卓に

大みそかにおせちやオードブルを味わい、最後に年越しそばを食べるという組み合わせも考えられます。

鍋料理と組み合わせる

ブリしゃぶや海鮮鍋を中心にして、おせちを副菜や酒肴として少しずつ楽しめば、温かい料理も取り入れられます。

年末と元日に分ける

洋風料理やオードブルは年末に、黒豆や数の子などの祝い肴は元日に食べるなど、内容によって分ける方法もあります。

ただし、冷蔵おせちを早く開封する場合は、消費期限や保存方法を必ず確認しましょう。冷凍商品についても、解凍に必要な時間から逆算して準備する必要があります。

❓ フライングおせちに関するQ&A

Q.フライングおせちとは何ですか?

A.元日を待たず、年末から楽しむおせちや正月向けのごちそうを表した呼び方です。厳密な定義や決まった料理があるわけではありません。

Q.2026年に誕生した新しい食文化ですか?

A.いいえ。大みそかにおせちを食べる習慣は、北海道や東北地方などの一部に昔からあります。「フライングおせち」という言葉も以前から使われていましたが、2027年向けの百貨店商戦で販売上のキーワードとして目立つようになりました。

Q.大みそかにおせちを食べても問題ありませんか?

A.おせちを食べる時期に全国共通の決まりがあるわけではありません。地域や家庭の習慣、家族が集まる日に合わせて楽しめます。

Q.年取り膳とフライングおせちは同じですか?

A.食べる時期は重なりますが、意味は同じではありません。年取り膳は大みそかに新年を迎える伝統的な風習で、フライングおせちは元日前におせちを楽しむ現代的な呼び方です。

Q.なぜ百貨店が注目しているのですか?

A.2027年は正月三が日が終わるとすぐに平日を迎える曜日配列であることや、家族が集まる日、人数、年末年始の過ごし方が多様化していることが背景にあります。おせちを食べる機会を年末まで広げることで、新たな需要も期待できます。

🎊 フライングおせちは、昔からある食べ方の新しい提案

フライングおせちは、まったく新しい食文化ではありません。

北海道などでは昔から大みそかにおせちやごちそうを食べる習慣があり、個人のSNSなどでも「フライングおせち」という表現は以前から使われてきました。

今回注目したいのは、その食べ方を百貨店が2027年向けのおせち商戦における新たな需要として打ち出したことです。

元日に家族全員で重箱を囲む伝統を大切にしながら、年末から味わう、一人で楽しむ、鍋料理と組み合わせるなど、生活に合わせて選べるおせちへ。フライングおせちは、食べる日を早めるだけでなく、現代の暮らしに合わせておせちの楽しみ方を広げる提案といえるでしょう。