広告運用の成果を正しく把握できていますか?近年、ブラウザのセキュリティ強化やプライバシー保護の動きが加速し、従来のコンバージョン測定タグだけでは正確なデータ取得が難しくなっています。
この課題に対応するため、2025年9月10日(水)にYahoo!広告の検索広告にコンバージョンAPIが導入されます。この新しい技術は、広告計測の精度を高め、より確実な成果につなげるための重要なツールです。
コンバージョンAPIとは?その仕組みを解説
コンバージョンAPIは、ウェブサイトの訪問者が行った購入や会員登録といった行動(コンバージョン)のデータを、広告主のサーバーからYahoo!広告のサーバーへ直接送信する仕組みです。
これまでのコンバージョンタグは、ユーザーのブラウザを経由してデータを送っていました。しかし、APIはサーバー間で通信を行うため、ブラウザのトラッキング制限や広告ブロッカーの影響を受けることなく、データの欠損を防ぎ、より正確な計測を可能にします。
コンバージョンAPIが今、求められる理由
この技術が注目される背景には、主に以下の要因があります。
- ブラウザの進化: SafariのITP(Intelligent Tracking Prevention)やGoogle Chromeのプライバシーサンドボックスといった新しい技術により、サードパーティCookieに依存する計測方法が機能しにくくなっています。
- 広告ブロッカーの普及: ユーザーが広告ブロッカーを利用すると、コンバージョンタグがブロックされ、せっかくの成果が計測されないリスクがありました。
コンバージョンAPIはこれらの問題を根本から解決し、広告主が確かなデータに基づいて運用を最適化するための基盤を提供します。
従来のコンバージョンタグとの違い
コンバージョンAPIは、従来のコンバージョン測定タグを完全に置き換えるものではありません。
すでにタグで計測が問題なくできている場合は、そのまま利用を続けられます。APIは、タグだけでは対応しきれない状況や、さらに高精度なデータ計測を追求する際に、タグを補完する形で併用することが推奨されます。
導入前に知っておきたいこと
コンバージョンAPIの利用には、サーバーサイドでの技術的な実装作業が不可欠です。導入すれば自動的に計測が始まるわけではないため、専門知識を持つ開発担当者や外部の技術ベンダーとの連携が重要となります。
補足情報
- Googleタグマネージャー(サーバーサイド)も、2025年10月頃にこの機能への対応を予定しています。
- このAPIは、検索広告専用の機能であり、ディスプレイ広告で提供されているコンバージョンAPIとは異なるものです。
まとめ
Yahoo!広告の検索広告に導入されるコンバージョンAPIは、プライバシー保護が強化される現代のデジタルマーケティングにおいて、正確な広告効果測定を実現する重要な機能となるでしょう。この新しい技術を理解し、活用することで、より効率的な広告運用が可能になります。