LINEヤフー株式会社より、「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」の計測タグに関する重要なアップデートが発表されました。2026年1月21日(予定)より、認証済みビジネスマネージャーを通じて「LINE公式アカウント」との間で共通の計測タグが利用可能になります。
これまで分断されていたプラットフォーム間のデータが統合されることで、広告運用の現場にはどのような変化がもたらされるのでしょうか。本記事では、このアップデートによる具体的なメリットや、移行時に確認しておくべき実務上の留意点をまとめました。
■ アップデートの概要:ビジネスマネージャーへの管理集約
今回の変更における核心は、計測タグの管理主体が「広告アカウント単位」から、組織全体を統括する「認証済みビジネスマネージャー」へと移行する点にあります。
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一元管理体制の構築: ビジネスマネージャーを起点とし、複数の広告アカウントやLINE公式アカウントのタグを組織単位で管理。
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計測リソースの共用: 設置済みのディスプレイ広告用タグを、LINE公式アカウントの計測にそのまま活用可能。
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API連携機能の統合: コンバージョンAPI(CAPI)のアクセストークン発行などの管理実務もビジネスマネージャーへ集約。
■ 運用担当者が注目すべき3つのメリット
計測タグの共通化は、単なる管理上の変更に留まらず、マーケティング施策の質を向上させる可能性を秘めています。
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ユーザー行動のシームレスな可視化: 「広告接触後の友だち追加」から「ウェブサイトでの購入」まで、これまで断片的だった行動を一つの共通タグで紐付けることが可能になります。
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プラットフォームを跨いだ横断的なデータ活用: サイト訪問データをLINE配信に活かしたり、逆にLINE内でのアクションを広告に活用したりといった、メディアの枠を超えたターゲティングが容易になります。
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タグ運用工数の削減とサイト負荷の軽減: サービスごとに個別のタグを設置する手間が解消されます。管理リソースの削減に加え、サイトに読み込ませるスクリプトを最小化できるため、ページ表示速度の維持にも寄与します。
■ 実務上の留意点とリスク管理
メリットを最大限に享受するためには、運用変更に伴う懸念点への対策が不可欠です。
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管理権限の再整備: タグの設定変更には今後「ビジネスマネージャーの管理者権限」が必要となります。スムーズな運用のために、組織内の権限設定を事前に見直しておく必要があります。
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計測データの重複防止: すでにLINEとYahoo!で個別にタグを設置している場合、共通タグへの切り替え時に二重計測が発生しないよう、計測設計を慎重に行う必要があります。
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将来的な機能拡張への対応: 今後の新機能はビジネスマネージャー経由での提供が主流となることが予想されます。中長期的な視点から、早期の接続が推奨されます。
■ FAQ(よくある質問と回答)
今回のアップデートに関する実務上の疑問をQ&A形式でまとめました。
Q. 現在使用しているタグの貼り替え作業は必要ですか?
A. いいえ、貼り替えは不要です。現在設置されているディスプレイ広告のタグが、そのまま共通タグとして機能します。
Q. 検索広告のタグも今回のアップデートに含まれますか?
A. 今回の対象は「ディスプレイ広告」のみです。ただし、将来的には他のビジネスソリューションへの拡大が予定されています。
Q. ビジネスマネージャーに接続しない場合、どのような制限がありますか?
A. 既存の計測は継続されますが、今回の目玉である「LINE公式アカウントとの共通利用」などの新機能は制限されます。
Q. LINE公式アカウントを持っていない場合でも接続すべきですか?
A. はい、推奨します。今後リリースされるYahoo!広告の新機能や管理機能の集約に対応するため、今のうちに準備を整えておくことが得策です。
■ 加速するファーストパーティデータ活用
今回のアップデートは、Cookie規制の強化という市場背景を受け、企業が自社で取得したデータをいかに資産化し、活用していくかという「ファーストパーティデータ活用」の重要性を象徴するものです。
これを機に、Yahoo!広告とLINEのデータを統合的に捉え、ユーザーとの一貫したコミュニケーションをどう再構築していくか。単なる仕様変更への対応に留まらない、戦略的な取り組みが期待されます。

