パスタを食べたいと思っても、ソースを別のフライパンで作るのは面倒に感じることがありますよね。
そんなときに便利なのが、さんまのかば焼き缶を丸ごと使った「さんま缶パスタ」です。
2026年9月1日放送、9月2日再放送のNHK「きょうの料理」の「プロの脱力メシ!」後編で、藤野賢治さんが紹介しました。
さんまのかば焼き缶を煮汁ごとパスタにからめるため、ソース用の調味料を何種類も用意する必要がありません。パスタをゆでた鍋へ戻してあえるので、フライパンも不要です。
仕上げには、刻みのりと七味とうがらしをたっぷりと。甘辛いさんまのかば焼きに磯の香りと七味の辛みが加わり、食欲をそそる和風パスタに仕上がります。
今回は、さんま缶パスタの材料や作り方に加え、1.9mmの太めの麺を使う理由、湯量の1%の塩を量る方法、ゆで汁で缶汁をなじませるコツなどをご紹介します。
🍝 さんま缶パスタはどんな料理?
さんま缶パスタは、さんまのかば焼き缶を煮汁ごとパスタソースとして使う、手軽な和風パスタです。
通常、パスタソースを作るときは、具材を切ったり、フライパンで炒めたり、複数の調味料を量ったりする必要があります。
このレシピでは、甘辛く味つけされたさんまのかば焼き缶が、そのまま具材とソースの両方を兼ねます。
必要な調理は、スパゲッティをゆで、さんま缶とあえることが中心。さんまは缶の中でほぐし、スパゲッティをゆでた鍋をそのまま使うため、洗い物も増えにくくなっています。
仕上げにオリーブ油、刻みのり、七味とうがらしを加えることで、缶詰をあえただけとは思えない、香り豊かなパスタを楽しめます。
🛒 さんま缶パスタの材料
1人分の材料は、次のとおりです。
- さんまのかば焼き缶……1缶(100g)
- スパゲッティ……100g(太さ1.9mm)
- 刻みのり……適量
- 七味とうがらし……適量
- オリーブ油……適量
- 塩……適量
さんま缶は、水煮や塩焼きではなく、甘辛い煮汁が入った「かば焼き」を使います。
缶詰によって内容量や味の濃さが異なるため、できるだけ100g程度の商品を選ぶと、パスタとのバランスを取りやすくなります。
🍳 さんま缶パスタの作り方
1.湯を沸かして塩を加える
鍋にたっぷりの湯を沸かし、湯量の1%の塩を加えます。
例えば、湯1リットルに対して使用する塩は10gです。
パスタをゆでる湯へ塩を加えることで、麺そのものに下味がつきます。さんまのかば焼き缶にも塩気があるため、目分量で塩を多く加えず、湯量に合わせて量りましょう。
2.スパゲッティをゆでる
スパゲッティを鍋へ入れ、袋に表示されている時間どおりにゆでます。
今回使うスパゲッティの太さは1.9mmです。
湯へ入れた直後は、麺同士がくっつかないように軽く混ぜます。その後は、鍋から湯が吹きこぼれない程度の火加減を保ってください。
3.ゆで汁を取り分ける
スパゲッティがゆで上がる直前に、ゆで汁を少量取り分けておきます。
実際にソースへ加える量の目安は大さじ1ほどですが、調整できるように少し多めに取っておくと安心です。
ゆで汁をすべて捨ててしまうと、さんま缶の煮汁をのばしたいときや、パスタがパサついたときに調整しにくくなります。
4.スパゲッティの湯を切る
ゆで上がったスパゲッティをザルに上げ、湯を切ります。
冷水で洗う必要はありません。
湯を切ったスパゲッティは、ゆでるときに使った鍋へ戻してください。この鍋でソースとあえるため、別のフライパンを用意する必要はありません。
5.さんまを缶の中でほぐす
さんまのかば焼きを、缶の中で食べやすい大きさにほぐします。
別の皿やまな板へ取り出す必要はありません。箸などを使い、身を大きめに分ける程度で十分です。
細かく潰しすぎると、パスタにからみやすくなる一方で、具材としての存在感がなくなります。大小のかたまりが少し残る程度にすると、さんまの食感を楽しめます。
缶の縁で手を切らないよう、混ぜるときは注意してください。
6.さんま缶を煮汁ごと加える
ほぐしたさんまを、缶の煮汁ごとスパゲッティの入った鍋へ加えます。
かば焼きの煮汁がパスタソースになるため、缶に残さず加えましょう。
しょうゆや砂糖などを新たに加える必要はありません。まずは缶詰の味を生かして仕上げます。
7.ゆで汁を加えてあえる
取り分けておいたパスタのゆで汁を、様子を見ながら大さじ1ほど加えます。
鍋を弱火から中火にかけ、スパゲッティ、さんま、缶の煮汁、ゆで汁をよくあえてください。
ゆで汁を加えることで、濃度のあるかば焼きの煮汁がのび、スパゲッティ全体へなめらかにからみます。
鍋底に煮汁が残っている場合は、スパゲッティで煮汁をすくい上げるように、大きく混ぜるのがポイントです。
8.盛りつけて仕上げる
煮汁がスパゲッティ全体になじんだら、器へ盛ります。
オリーブ油を適量回しかけ、刻みのりをのせ、七味とうがらしをふったら完成です。
オリーブ油、刻みのり、七味とうがらしは、食べる直前に加えることで香りを感じやすくなります。
🐟 さんま缶は煮汁までソースに使う
このパスタでは、さんまのかば焼き缶の身だけでなく、甘辛い煮汁もすべて使用します。
缶の煮汁には、さんまのうまみと、しょうゆや砂糖などの味が含まれています。そのため、煮汁をスパゲッティへからめるだけで、和風の甘辛いソースになります。
煮汁を捨ててしまうと、パスタ全体へ味が広がりにくくなり、追加の調味料が必要になる可能性があります。
缶詰を開けたら、身と煮汁を一つのソースとして使うのが、このレシピの大切なポイントです。
🥢 さんまは缶の中でほぐして洗い物を減らす
さんまをほぐすためだけに、ボウルや皿を用意する必要はありません。
缶の中で直接ほぐせば、洗い物を増やさず、そのまま煮汁ごと鍋へ加えられます。
さんまの身はやわらかいため、箸で軽く押すだけでも簡単に分かれます。完全に細かくせず、大きな身と細かくほぐれた身が混ざる程度にするとよいでしょう。
細かい身はソースのようにパスタへからみ、大きな身は具材として食べ応えを生みます。
ただし、開けた缶の縁は鋭くなっている場合があります。缶を手で強く押さえたり、指を中へ入れたりしないようにしましょう。
🍝 1.9mmの太めのスパゲッティを使う理由
番組のレシピでは、太さ1.9mmのスパゲッティを使用します。
1.9mmは、一般的な1.6mm前後のスパゲッティよりもやや太めです。太い麺は、かば焼きの濃厚な煮汁やさんまの身に負けにくく、しっかりとした食べ応えがあります。
また、太めの麺は表面へソースをまとわせながらも、麺そのものの食感を感じやすいのが特徴です。
細めのスパゲッティでも作れますが、ソースが濃く感じやすくなる可能性があります。細い麺を使う場合は、ゆで汁を少し多めに加えるなどして調整するとよいでしょう。
🧂 湯量の1%の塩とは?
湯量の1%の塩とは、水の重さに対して1%の塩を加えるという意味です。
目安は次のようになります。
- 湯500mlの場合……塩5g
- 湯1リットルの場合……塩10g
- 湯1.5リットルの場合……塩15g
- 湯2リットルの場合……塩20g
使用する塩によって粒の大きさや重量が異なるため、できれば計量スプーンの容量ではなく、キッチンスケールで重さを量ると確実です。
さんまのかば焼き缶は味がしっかりしているため、パスタのゆで湯を必要以上に塩辛くしないことも大切です。
💧 パスタのゆで汁がソースをなじませる
パスタのゆで汁は、かば焼きの煮汁をのばし、スパゲッティ全体へなじませるために使います。
缶の煮汁だけを加えると、一部に濃い味が固まったり、水分が足りずにパスタがパサついたりすることがあります。
ゆで汁を加えることで煮汁がゆるみ、さんまの細かい身と一緒に麺全体へ広がります。
最初からたくさん加えると水っぽくなるため、まずは大さじ1程度を目安にしましょう。混ぜてもパスタがほぐれにくい場合は、取り分けておいたゆで汁を少量ずつ追加します。
反対に水分が多くなった場合は、弱火から中火にかけながらあえ、余分な水分を軽く飛ばしてください。
🔥 加熱しすぎると味が濃くなるので注意
さんま缶を加えたあとは、長時間煮込む必要はありません。
さんまのかば焼きはすでに加熱されているため、目的はさんまを温め、煮汁をスパゲッティへなじませることです。
強火で長く加熱すると、煮汁とゆで汁の水分が蒸発し、味が濃くなったり、パスタがパサついたりします。
弱火から中火で手早くあえ、全体が温まって煮汁がなじんだら、早めに火から下ろしましょう。
煮汁の水分が少ない缶詰を使う場合は、火にかける前にゆで汁を少し多めに加えると調整しやすくなります。
🫒 オリーブ油は盛りつけてから加える
オリーブ油は、さんま缶と一緒に鍋へ加えるのではなく、パスタを器へ盛ってから回しかけます。
仕上げに加えることで香りが残りやすくなり、甘辛いかば焼きの煮汁にまろやかなコクが加わります。
また、パスタの表面につやが出て、口当たりもなめらかになります。
さんまのかば焼きにも脂が含まれているため、オリーブ油を大量に加える必要はありません。少量を回しかけ、好みに合わせて調整しましょう。
🌊 刻みのりはたっぷりのせる
仕上げの刻みのりは、さんまの風味とよく合い、和風パスタらしい磯の香りを加えます。
甘辛いかば焼きの煮汁に、のりの香ばしさが重なることで、シンプルな材料でも風味豊かなパスタに仕上がります。
食べる直前にのせると、最初はパリッとした食感を楽しめます。その後、ソースや湯気になじむと、パスタへからみやすくなります。
刻みのりがない場合は、焼きのりをキッチンばさみで細く切ったり、手でちぎったりしても構いません。
🌶 七味とうがらしが甘辛い味を引き締める
さんまのかば焼き缶には甘みがあるため、そのままでは味が単調に感じられることがあります。
仕上げに七味とうがらしをふることで、ピリッとした辛みと香りが加わり、甘辛いソースの味を引き締められます。
辛いものが苦手な場合や、子どもが食べる場合は省いても構いません。それぞれの器へ盛ってから加えれば、食べる人に合わせて辛さを調整できます。
✅ おいしく仕上げるポイント
さんま缶パスタをおいしく作るポイントは、次のとおりです。
- スパゲッティは湯量の1%の塩を加えてゆでる
- 袋に表示された時間どおりにゆでる
- 湯を捨てる前に、ゆで汁を取り分ける
- さんまは缶の中で大きめにほぐす
- 缶の煮汁も残さずソースに使う
- ゆでたスパゲッティを同じ鍋へ戻してあえる
- ゆで汁は大さじ1程度から加える
- 加熱しすぎず、煮汁がなじんだら火から下ろす
- オリーブ油、刻みのり、七味は盛りつけてから加える
ソース用の調味料を新たに加えなくても、かば焼き缶の煮汁、パスタのゆで汁、仕上げの薬味によって味がまとまります。
✨ 家庭で楽しめるアレンジ
番組で紹介されたシンプルな味を楽しんだあとは、好みの食材を加えてアレンジできます。
青ねぎを加える
小口切りの青ねぎを散らすと、爽やかな香りと彩りを加えられます。
刻みのりや七味とうがらしとの相性もよく、より和風の味わいになります。
青じそを加える
細切りにした青じそをのせると、さんまの風味がすっきりとまとまります。
青じそは加熱せず、刻みのりと一緒に仕上げにのせましょう。
大根おろしを添える
大根おろしを添えると、甘辛いかば焼きの味をさっぱりと楽しめます。
大根おろしの水分が多いとソースが薄まるため、軽く水気を切ってからのせるのがおすすめです。
きのこを加える
しめじやまいたけなどを加えると、食べ応えが増します。
ただし、きのこは加熱が必要です。パスタをゆでる鍋へ途中から加えて一緒にゆでるか、別に炒めてから加えましょう。
粉ざんしょうをふる
七味とうがらしの代わりに粉ざんしょうをふると、かば焼きらしい爽やかな香りを楽しめます。
辛さより香りを重視したい場合にも向いています。
なお、これらは番組のレシピを基にした家庭向けのアレンジです。
❓ さんま缶パスタのよくある質問
さんまの水煮缶でも作れますか?
A.作れますが、別に味つけが必要です。
水煮缶には、かば焼き缶のような甘辛い煮汁がありません。しょうゆ、みりんなどを使って味を調える必要があるため、番組のようにソースの調味を省きたい場合は、さんまのかば焼き缶を使いましょう。
さばのかば焼き缶でも代用できますか?
A.同じような味つきの缶詰であれば、家庭向けのアレンジとして代用できます。
ただし、内容量、煮汁の量、味の濃さが異なります。ゆで汁を加える量を調整し、味見をしながら仕上げてください。
1.9mm以外のスパゲッティでも作れますか?
A.作れます。
細いスパゲッティを使うと軽い口当たりになりますが、濃厚な煮汁の味を強く感じる場合があります。ゆで汁を少し多めに加え、ソースの濃度を調整しましょう。
太い麺を使う場合は、袋に表示されたゆで時間を確認してください。
ゆで汁を取り忘れた場合は?
A.湯または水を少量加えて調整できます。
ただし、パスタのゆで汁には塩分と麺から出たでんぷんが含まれているため、普通の水とは仕上がりが少し異なります。
できるだけ、湯を切る前に忘れず取り分けておきましょう。
パスタがパサついた場合は?
A.取り分けたゆで汁を少量ずつ加えてください。
弱火にかけながらゆで汁を加え、麺をほぐすようにあえます。オリーブ油を少量追加する方法もありますが、まずはゆで汁で水分を補うのがおすすめです。
味が濃くなった場合は?
A.ゆで汁を少量ずつ加えて、煮汁をのばします。
すでにゆで汁を使い切った場合は、湯を少量加えても構いません。水分を加えたあとは、弱火で手早くあえて全体になじませます。
味が薄い場合は?
A.まずは鍋底に残った煮汁を、パスタへしっかりからめてください。
それでも薄い場合は、缶に残った煮汁がないか確認します。しょうゆを加える場合は、味が急に濃くならないよう数滴ずつ調整しましょう。
さんまの身が崩れすぎた場合は?
A.味には問題ありません。
細かくなった身はソースのようにパスタへからみます。次に作るときは、缶の中で細かく潰さず、大きめに分ける程度にしましょう。
フライパンを使わなくても大丈夫ですか?
A.パスタをゆでた鍋へ戻してあえるため、フライパンは必要ありません。
鍋にさんま缶とゆで汁を加え、弱火から中火にかけながら全体をあえれば仕上げられます。
作り置きできますか?
A.できたてを食べるのがおすすめです。
時間がたつとスパゲッティが煮汁を吸い、パサついたり麺同士がくっついたりします。
保存する場合は冷蔵し、なるべく早めに食べ切りましょう。温め直すときは、少量の水やオリーブ油を加えて麺をほぐします。
🐟 味つけも洗い物も抑えたさんま缶パスタを手軽な一食に
さんま缶パスタは、さんまのかば焼き缶を煮汁ごと使い、ソース作りの手間を省いた和風パスタです。
作り方の大切なポイントをまとめると、次のようになります。
- 1.9mmの太めのスパゲッティを使う
- 湯量の1%の塩を加えて麺をゆでる
- ゆで汁を捨てる前に取り分ける
- さんまを缶の中でほぐす
- 煮汁ごと鍋へ加えてソースにする
- ゆで汁を加え、弱火から中火で手早くあえる
- 刻みのりと七味とうがらしで風味を加える
さんま缶が具材とソースを兼ねるため、ソース用の調味料をいくつも量る必要がありません。パスタをゆでた鍋でそのままあえれば、フライパンも使わずに仕上げられます。
かば焼き缶の甘辛い味、さんまのうまみ、刻みのりの磯の香り、七味とうがらしの刺激が一つになり、手軽ながらも満足感のある一皿です。
料理をする気力がない日や、家にある缶詰で手早く食事を作りたい日に、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

