バナナとクリームを包んだクレープは、世代を問わず親しまれている定番のおやつです。市販のホイップクリームを使えば手軽に作れますが、少し時間をかけて手作りのカスタードクリームを合わせると、卵と牛乳のコクが加わり、どこか懐かしく上品な味わいになります。
今回紹介するのは、栗原はるみさんの「バナナクレープ」。しっとりやわらかなクレープ生地に、やさしい甘さのカスタードクリームとバナナを包んだ、シンプルながら満足感のある一品です。
生地を薄く焼くことや、カスタードクリームをなめらかに仕上げることに難しさを感じるかもしれません。しかし、生地を十分に休ませ、カスタードの火加減と固さを丁寧に見極めれば、家庭でも本格的な味わいを楽しめます。
この記事では材料と作り方に加え、クレープ生地を寝かせる理由、カスタードクリームをだまにしないコツ、包むときのポイントまで詳しく紹介します。
📺 栗原はるみさんが紹介したバナナクレープ
このレシピは、『きょうの料理』で栗原はるみさんが紹介したものです。初回は9月16日にEテレで放送され、9月17日にはNHK総合でも放送されました。
特徴は、生クリームではなく、卵黄と牛乳から作るカスタードクリームをたっぷり使うこと。バナナのまろやかな甘さにカスタードのコクが重なり、薄く焼いたクレープ生地が全体をやさしく包み込みます。
クリームの量を好みに合わせて調整できるのも、手作りならではの楽しみです。
📝 材料(6個分)
バナナ
- バナナ:3本
クレープ生地(直径約20cm・6枚分)
- 卵:1個
- グラニュー糖:小さじ2
- 塩:少々
- 薄力粉:50g
- 牛乳:カップ1/2(100ml)
- バター:適量
カスタードクリーム(作りやすい分量)
- 卵黄:3個分
- グラニュー糖:80g
- 薄力粉:大さじ2(27g)
- 牛乳:カップ2(400ml)
仕上げ
- 粉砂糖:適宜
🔪 作る前の準備
- 材料をすべて計量しておきます。
- 薄力粉は、すぐに加えられるよう準備します。
- 焼いた生地を置くためのクッキングシートを用意します。
- カスタードクリームを冷やすためのボウルや氷水を準備しておくと、作業がスムーズです。
クレープ生地は半日からひと晩、冷蔵庫で寝かせます。食べたい時間から逆算し、前日の夜や当日の朝に生地を仕込んでおくのがおすすめです。
👩🍳 バナナクレープの作り方
1.クレープ生地を作る
ボウルに卵を割り入れて溶きほぐし、グラニュー糖と塩を加え、泡立て器でよく混ぜます。
薄力粉を加え、粉気がなくなるまで混ぜてください。牛乳を一度に注ぐと生地がなじみにくいため、少しずつ加えながら混ぜ、なめらかな状態にします。
2.生地を冷蔵庫で寝かせる
生地にラップをかけ、冷蔵庫で半日からひと晩休ませます。
作ってすぐに焼くのではなく、十分に寝かせることが大切です。時間を置くことで材料がなじみ、粉の吸水が進むため、生地が落ち着いて薄く広げやすくなります。焼き上がりもしっとりし、包むときに破れにくくなります。
3.カスタード用の牛乳を温める
小鍋に牛乳を入れて火にかけ、沸騰する直前まで温めます。
ぐらぐらと煮立たせる必要はありません。鍋の縁に小さな泡が見え、湯気が立ってきたところを目安に火を止めます。
4.卵黄、砂糖、薄力粉を混ぜる
別のボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、泡立て器でよく混ぜます。薄力粉をふるい入れ、粉気がなくなるまでさらに混ぜてください。
薄力粉をふるいながら加えることで、だまを防ぎやすくなります。
5.温めた牛乳を加える
卵黄のボウルへ、温めた牛乳を少しずつ加え、そのつどよく混ぜます。
熱い牛乳を一度に注ぐと、卵黄の一部だけに火が入りやすくなります。最初は少量ずつ加えて温度をなじませ、徐々に残りを加えるのがポイントです。
全体が混ざったら、ざるでこして小鍋へ戻します。このひと手間により、溶け残った粉や卵のかたまりを取り除き、口当たりのよいクリームに仕上がります。
6.カスタードクリームを炊く
鍋を弱火にかけ、泡立て器で鍋底を絶えず混ぜながら加熱します。鍋の底や角は焦げつきやすいため、全体をまんべんなく動かしてください。
加熱を続けると次第にとろみがつき、鍋の周囲がふつふつとしてきます。泡立て器で混ぜた跡が残るくらいの固さになったら、火を止めます。
やわらかすぎる状態では包んだときに流れ出やすく、加熱しすぎると重たい口当たりになります。「筋が残る固さ」を見逃さないことが、仕上がりを左右する大切なポイントです。
7.カスタードクリームを冷やす
炊き上がったカスタードクリームをボウルなどへ移して粗熱を取ります。その後、冷蔵庫に入れるか、ボウルの底を氷水に当ててしっかり冷やします。
温かいままクレープへ包むと、生地がべたついたり傷みやすくなったりするため、中心まできちんと冷ましておきましょう。
8.クレープ生地を薄く焼く
フライパンを熱し、バター少々を入れて全体になじませます。寝かせた生地の6分の1量を流し入れ、フライパンを傾けながら手早く薄く広げます。
片面が焼けたら裏返し、反対側も焼きます。焼き上がった生地はクッキングシートの上へ取り出して冷ましてください。
残りも同じように焼きます。冷ましている間はラップなどをかけ、生地が乾燥しないようにします。乾くと折りたたむ際に裂けやすくなるため、このひと手間が重要です。
9.バナナとカスタードを包む
バナナは皮をむき、横半分に切ります。
冷ましたクレープ生地の中央にカスタードクリームを盛り、その上にバナナをのせます。左右の生地を内側へ折り、さらに手前と奥の生地を重ねて包みます。
クリームを入れすぎると包みにくくなるため、最初は控えめにのせ、包める範囲で好みの量に調整しましょう。
10.粉砂糖で仕上げる
器に盛り、好みで粉砂糖をふれば完成です。
包み終わりを下にして置くと形が安定し、すっきりと盛りつけられます。
✨ おいしく仕上げる4つのコツ
生地は半日からひと晩寝かせる
休ませる時間を省かないことが、しっとりやわらかな生地への近道です。粉と水分が十分になじみ、生地を薄く広げやすくなります。
牛乳は少しずつ加える
クレープ生地でもカスタードクリームでも、牛乳は少しずつ加えて混ぜます。一度に注がないことで、だまや混ぜむらを防げます。
カスタードは鍋底から絶えず混ぜる
カスタードは加熱が進むと急にとろみがつきます。途中で手を止めず、鍋底と角を意識しながら混ぜ続けることが、焦げつきやだまを防ぐポイントです。
焼いた生地を乾燥させない
薄いクレープ生地は乾燥すると折れたり裂けたりしやすくなります。焼き上がったものは重ね、ラップなどで覆ってしっとりした状態を保ちましょう。
🍮 手作りカスタードだから味わえるやさしいコク
このバナナクレープの魅力は、バナナだけでなく、卵黄を3個使ったカスタードクリームにもあります。
生クリームを使ったクレープとは異なり、卵と牛乳のまろやかなコクが感じられ、バナナの自然な甘さとよくなじみます。薄く焼いた生地が具材を包み込むため、ひと口ごとにクレープ、カスタード、バナナをバランスよく味わえるのも魅力です。
材料は身近なものが中心ですが、生地を寝かせる時間とカスタードを丁寧に炊く工程によって、特別感のあるデザートに仕上がります。
💡 よくある質問
Q.クレープ生地をすぐに焼いてもよいですか?
A.今回のレシピでは、半日からひと晩寝かせます。生地を休ませることで粉と水分がなじみ、薄く焼きやすく、しっとりした食感になります。時間に余裕を持って仕込むのがおすすめです。
Q.カスタードクリームがだまになったときはどうすればよいですか?
A.温かいうちにざるでこすと、ある程度なめらかに整えられます。だまを防ぐには、薄力粉をふるうこと、温めた牛乳を少しずつ加えること、加熱中は鍋底から絶えず混ぜることが大切です。
Q.カスタードがゆるくなる原因は何ですか?
A.加熱時間が足りず、十分にとろみがついていない可能性があります。鍋の周囲がふつふつとし、泡立て器で混ぜた筋が残る固さになるまで、弱火で丁寧に加熱してください。
Q.クレープを破れにくくするにはどうすればよいですか?
A.生地を十分に寝かせ、焼いたあとは乾燥させないことが大切です。また、カスタードをのせすぎると包む際に力がかかるため、最初は少なめにするときれいに包みやすくなります。
Q.バナナが変色するのを防げますか?
A.バナナは空気に触れると変色しやすいため、食べる時間に合わせて切って包むのがおすすめです。包んだあとは乾燥を防いで冷蔵庫へ入れ、なるべく早めに味わいましょう。
Q.作ったバナナクレープはどのように保存しますか?
A.カスタードクリームを使っているため、乾燥しないように包んで冷蔵庫で保存します。バナナの食感や風味も変わりやすいので、作り置きよりも早めに食べるのがおすすめです。
🍌 ひと手間かけたカスタードで、いつものバナナを特別なおやつに
栗原はるみさんの「バナナクレープ」は、しっとりとした薄い生地、やさしい甘さのカスタードクリーム、まろやかなバナナが一つになった手作りデザートです。
生地を半日からひと晩寝かせるため、完成までには少し時間がかかります。しかし、前日に生地を仕込んでおけば、当日はカスタードを作って生地を焼き、バナナと一緒に包む楽しさをゆっくり味わえます。
カスタード作りでは、温めた牛乳を少しずつ加え、鍋底を混ぜ続けながら「泡立て器の筋が残る固さ」まで加熱することが大切です。焼いたクレープ生地は乾燥を防ぎ、やわらかさを保ったまま包みましょう。
材料そのものは素朴でも、カスタードを手作りし、一つずつ丁寧に包むことで、休日のおやつやおもてなしにも似合う一皿になります。クリームの量を自分好みに調整しながら、バナナとカスタードが重なる幸せな味わいを楽しんでみてください。

