6月3日 17:53 PDCAがうまくいかない…マーケティング現場で見直すべきポイントとは? | マーケターのつぶやき

PDCAがうまくいかない…マーケティング現場で見直すべきポイントとは?

マーケティング施策を実施したまま、結果の振り返りや改善を後回しにしていませんか?
どれほど優れたアイデアでも、「やりっぱなし」では効果を最大化できません。
そんなときに役立つのが、施策を計画・実行・評価・改善の4段階で見直すフレームワーク、PDCAサイクルです。

今回は、PDCAの基本からマーケティングでの活用方法、実践例、よくあるつまずきの原因と対策、さらには他フレームワークとの違いなどをご紹介します。

PDCAとは?

PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」の頭文字をとった改善サイクルのことです。この4つのプロセスを継続的に回すことで、業務や施策の精度を高め、成果を持続的に向上させていく手法です。

  • Plan(計画):目標を設定し、達成に向けた戦略と手段を立案する

  • Do(実行):計画に基づいて施策を実行する

  • Check(評価):実行結果を数値や定性情報で振り返る

  • Act(改善):評価結果から改善点を抽出し、次の計画に反映する

このプロセスを1回で終わらせるのではなく、繰り返し実行することが、PDCAの本質です。

なぜマーケティングにPDCAが重要なのか?

マーケティングでは、戦略だけでなく実行後の改善が成否を分けます。
たとえば、広告出稿、SNS運用、SEO施策、メール配信など、あらゆる取り組みには効果測定の指標があり、それらをどう評価し、改善につなげるかが重要です。

PDCAを回すことで、次のようなメリットが得られます。

  • 感覚に頼らず、データを根拠に施策を進められる

  • 効果が悪い施策を早期に見直せる

  • 再現性ある改善で、チームでも成果を共有しやすい

つまり、PDCAはマーケティングの「精度」と「効率」を高めるための仕組みといえます。

マーケティング施策におけるPDCAの実践例

SNS広告を用いた例

  • Plan:Instagramを活用し、20代女性の購買意欲を高めるキャンペーンを企画

  • Do:2パターンの動画広告(A/B)を配信

  • Check:Aパターンの動画はCTRが1.8%、Bパターンは1.1%

  • Act:高CTRのAパターンをベースに、次回はフォーマットと配信時間帯を再検証

SEO施策における例

  • Plan:「PDCAとは」のキーワードで上位表示を目指し、記事構成を設計

  • Do:検索意図をもとに2,500文字以上の記事を公開

  • Check:2週間後の検索順位は28位。滞在時間は短く直帰率が高い

  • Act:見出し構成と導入文を改善し、内部リンクを追加して再アップロード

メールマーケティングでの例

  • Plan:新商品の紹介メールを週1配信し、クリック率5%以上を目指す

  • Do:件名を2種類用意し、ABテストを実施

  • Check:件名Aは開封率18%、Bは12%。クリック率はAの方が高い

  • Act:Aのように「ベネフィット明示型」の件名を今後の基準とする

PDCAがうまく回らないときの原因と対策

PDCAを導入しても、期待した成果が得られないこともあります。
その多くは、どこかのステップが不完全であることが原因です。

原因①:計画が曖昧

よくある問題

  • 目標が数値化されていない

  • 目的と手段が混同している

対策
→「SMARTの原則(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)」を意識して、明確な目標を設定しましょう。

原因②:評価(Check)が十分でない

よくある問題

  • データを収集していない

  • 結果を主観で判断している

対策
→KPI(重要業績評価指標)やKGI(最終目標指標)を設定し、客観的な数値での分析を行うことが重要です。

原因③:改善(Act)につなげていない

よくある問題

  • 結果を見ただけで終わる

  • 次の施策に活かせていない

対策
→Checkの結果は「次のPlanへの橋渡し」。評価だけで終わらず、必ず改善策を文書化・実施することを習慣にしましょう。

OODA・CAPDoとの違いと使い分け

PDCAに似た改善手法には、「OODAループ」や「CAPDo」もあります。それぞれの特徴を理解して、状況に応じて使い分けるのが効果的です。

OODAループ:スピード重視

  • Observe(観察)→ Orient(判断)→ Decide(決定)→ Act(行動)

  • 軍事戦略に由来し、変化の激しい環境に適した即時対応型のフレームワークです。

  • SNS運用やトレンドマーケティングなどに有効です。

CAPDo:現場主導型

  • Check(現状把握)→ Act(改善)→ Plan(計画)→ Do(実行)

  • まず現場の課題から着手する点が特徴。医療・製造など現場改善型の分野で使われています。

  • PDCAよりも柔軟な改善手順が求められる現場で有効です。

中小企業・個人事業でもPDCAは効果的

PDCAは、大企業のマーケティング部門だけでなく、中小企業や個人事業主にも役立つフレームワークです。

  • 限られた予算でも、効果の低い施策を早期に見直せる

  • 改善の履歴を記録することで、ノウハウが蓄積される

  • 外注とのコミュニケーションにも役立つ(施策の検証・報告など)

規模に関係なく、「少しずつ良くしていく」ために、PDCAの思考法を取り入れることは非常に有効です。

PDCAを習慣化して、マーケティングの成果を継続的に伸ばそう

マーケティングにおける成功は、「一発勝負」ではなく「改善の繰り返し」によって築かれます。
PDCAサイクルはその改善を日常化し、確実に前進させるためのフレームワークです。

  • まずは目標を明確にし

  • 計画に基づいて実行し

  • データでしっかり振り返り

  • 次の改善策につなげる

このシンプルな4ステップを繰り返すことで、あなたのマーケティング施策は着実に成長し、成果に結びつくはずです。