リダイレクトチェーンとは、1つのURLにアクセスしたときに、目的のページにたどり着くまでに複数のリダイレクトを経由してしまう状態を指します。このリダイレクトチェーンは、ユーザー体験を損なうだけでなく、SEO(検索エンジン最適化)にも悪影響を及ぼすため、Web担当者やサイト運営者にとって無視できない問題です。
今回は、リダイレクトチェーンの意味、SEOへの影響、確認方法、そして実際の解消事例などをご紹介します。
リダイレクトチェーンとは何か?
リダイレクトチェーンとは、1つのURLにアクセスした際に、複数のURLを順に転送されながら最終的なページにたどり着く現象のことです。
たとえば、次のようなパターンです:
http://example.com
→https://example.com
→https://www.example.com
→https://www.example.com/new-page
このように複数のステップを経由する状態がリダイレクトチェーンです。
リダイレクトチェーンがSEOに与える悪影響
リダイレクトチェーンは以下のようなSEO上の問題を引き起こす可能性があります。
- クロール効率の低下:Googlebotなどのクローラーは転送が多いと巡回を途中でやめてしまうことがあります。
- インデックスの遅延や失敗:最終URLが正しくインデックスされない場合があります。
- ページ速度の低下:転送ごとにHTTPリクエストが発生し、ユーザー体験を損ねます。
- リンクジュースの分散:被リンク評価が100%最終ページに伝わらない場合があります。
リダイレクトチェーンが発生する原因
意図せず発生することが多く、主な原因には次のようなものがあります。
- http → https → wwwあり/なしの切り替え
- WordPressなどCMSのURL設定ミス
- 古いリダイレクト設定が放置されている
- リニューアルによる重複リダイレクト
特にWebサイトのリニューアルや常時SSL化のタイミングでリダイレクトチェーンが発生しやすくなります。
自分のサイトがリダイレクトチェーンかどうか確認する方法
無料で使える以下のようなオンラインツールで簡単にチェックできます。
- WhereGoes(https://wheregoes.com):入力したURLがどのようにリダイレクトされるかをステップごとに表示。
- HTTP Status(https://httpstatus.io):リダイレクトを含むHTTPレスポンスのステータスコードとURL遷移を一覧で確認可能。
- Redirect Checker(https://www.redirect-checker.org/):リダイレクトのルートとステータスコードを一目で把握できます。
リダイレクトチェーンの解消方法
リダイレクトチェーンを解消するには、リダイレクトの経路を整理して中継を減らすことが重要です。
.htaccess
ファイルやサーバー設定を見直す- CMS(例:WordPress)のリダイレクトプラグイン設定を確認
- 不要なリダイレクトを削除または統合
可能であれば「1ステップ以内」に収まるようにリダイレクトを設計するのがベストです。
リダイレクトチェーンの事例
例1:SSL化とURL正規化が重なったケース
http://example.com/page
→https://example.com/page
→https://www.example.com/page
例2:リニューアル時に旧URL → 中間URL → 新URLと変遷
/old-url
→/temporary-url
→/new-url
いずれも中間ステップを省略して直接目的URLに転送することで改善可能です。
よくある質問(FAQ)
Q. リダイレクトチェーンとリダイレクトループの違いは? A. チェーンは「多段階で最終URLにたどり着く」状態、ループは「永遠に転送が繰り返される」状態です。
Q. Googleは何回までのリダイレクトを許容しますか? A. 一般的には5回程度が上限とされており、それ以上はクロール中断やインデックスの問題が発生する可能性があります。
Q. rel=”canonical”タグで回避できますか? A. canonicalは正規URLを示すもので、リダイレクトそのものの代替にはなりません。チェーンの解消は別途必要です。
まとめ
リダイレクトチェーンは、SEOやユーザー体験に大きな影響を与える要素です。意図せず発生することも多いため、定期的なチェックと適切な対応が不可欠です。
特にリニューアル・SSL化・URL正規化などを行った場合は、リダイレクトの動作を一度見直しておくことをおすすめします。