2024年に入ってから、日本国内で販売される国産米の価格が急激に上昇しています。「気づけば5kgで4,000円以上」になったと感じた方も多いのではないでしょうか。
こうした中、代替手段として注目されているのが、アメリカ産の輸入米「カルローズ米」です。2025年6月には、大手スーパーのイオンが「かろやか」という商品名でカルローズ米の販売を全国で開始予定。関税がかかっているにもかかわらず、国産米よりも安い価格で販売される見込みです。
今回は、以下のような疑問に答えながら、カルローズ米とイオンの取り組みなどについて、ご紹介します。
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カルローズ米とは？ 国産米と何が違う？
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関税が高いはずなのに、なぜ安いの？
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どんな料理に向いている？
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カルローズ米はどこで買える？
なぜ今「輸入米」なのか？背景にある“米価急騰”の実態
2023年から2024年にかけて、日本の米価は一気に上昇しました。その背景には、従来語られてきた「肥料価格の高騰」や「気候変動による不作」だけでは説明しきれない、構造的な要因があります。
とりわけ大きな要因と考えられるのが、減反政策（生産調整）による供給量の縮小です。政府が2018年に減反政策を廃止したと発表したものの、実際には生産調整が続いているという現状があります。農林水産省は毎年「適正生産量」の目安を公表し、それに基づいて農協（JA）などが農家に生産指導を行っています。また、飼料用米や麦、大豆などへの転作を促す補助金制度も継続されており、これらの施策が実質的な生産調整として機能しています 。その結果、ここ数年で米の生産量は大きく減少しています。
しかし、2023年以降、インバウンドの急回復によって飲食店や宿泊施設を中心に業務用米の需要が急増。コロナ禍で停滞していた外食需要が一気に戻り、観光地では和食提供に欠かせない米の需要が跳ね上がりました。これにより、限られた供給に対して需要が追いつかないという、深刻な需給ギャップが生じたのです。
さらに、政府備蓄米の放出が入札制に限定されていることも供給の硬直化を招き、業者は高値でも米を落札せざるを得ない状況に。こうした一連の構造的要因が重なったことで、市場価格が急騰し、消費者にとっても「米が急に高くなった」と感じるような事態へとつながりました。
この価格高騰は、農家の収入が増えたことによる“好景気”ではなく、むしろ制度上のミスマッチによって起きた“歪な値上がり”だと言えるでしょう。
カルローズ米とは？注目される理由とは
そんな中、価格の安さと多用途性で注目されているのが「カルローズ米」です。
カルローズはアメリカ・カリフォルニア州で広く栽培されている中粒種のお米。日本米と比較すると粘りが少なく、さっぱりとした食感が特徴です。もともとは業務用や外食チェーンでの利用が中心でしたが、最近では家庭向けにも広がりを見せています。
主な特徴は以下の通りです。
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粘り気が控えめで、軽やかな食感
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冷めてもべたつきにくく、弁当や作り置きに便利
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炒飯、ピラフ、カレー、リゾット、パエリアなど洋食系にぴったり
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カリフォルニア産で品質管理が厳しく、輸入食品としての安全性が高い
「日本の白ご飯としての味とは違う」と感じる人もいますが、「料理に合った使い方ができる米」としてカルローズを評価する声が増えています。
イオンが販売予定の「かろやか」はなぜ安い？
2025年6月から、イオンがカルローズ米「かろやか」の販売を開始する予定です。
「輸入米には関税がかかるはずなのに、なぜイオンのカルローズ米は安いのか？」という疑問を持つ方も多いでしょう。実際、日本の米にかかる関税は1kgあたり341円と非常に高く設定されています。
それにもかかわらず、イオンの「かろやか」は5kgあたり約3,600円前後で販売される見込みです（参考：Amazonでは同じカルローズ米が5kgで約5,000円）。
イオンのカルローズ米が安価の理由と背景
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大量仕入れによるコスト削減
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自社物流を活用し、輸送コストを最小限に
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精米や小分けを国内で行い、管理コストを圧縮
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プライベートブランドとしてマージンを調整
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試験販売段階では価格を抑えた戦略的な設定
これらの工夫によって、関税込みでも国産米より安く販売可能となっているのです。
カルローズ米はこんな料理にぴったり
価格の安さだけでなく、料理の幅広さもカルローズ米の魅力です。以下のようなメニューに最適です：
🍳 チャーハン・ピラフ
粒がしっかりしていて、パラっと仕上がるため炒めごはんに最適。
🍛 カレーライス・ハヤシライス
粘りが少ないため、ルーとの絡みが絶妙で重くならない。
🥘 パエリア・リゾット
中粒で洋風料理にもマッチ。芯を少し残す炊き方もできる。
🍱 お弁当・冷凍ストック
冷凍してもべたつかず、解凍しても食感が安定しているのが魅力。
「高いから仕方なく買う」をやめる、新しい選択肢に
これまで日本では「お米＝国産」という価値観が強く、輸入米に対するイメージはあまり良くありませんでした。しかし、物価高の時代に入った今、「品質に納得できるなら、用途に応じて選びたい」という声も増えています。
カルローズ米は、そんな時代のニーズにぴったり合った存在です。
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白ごはん用には国産米
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料理や保存用にはカルローズ米
といったように、目的に応じて“お米を使い分ける”という発想が、これからますます定着していくかもしれません。
イオンがこの流れに乗って家庭用カルローズ米を広く展開することは、消費者にとっての「選べる安心」を意味するのです。
よくある質問（FAQ）
Q1. カルローズ米はまずいという噂は本当ですか？
A. 好みによりますが、「白ごはん用」として食べると物足りなく感じる方もいます。ただし炒めごはんや洋風料理には非常に適しており、「まずい」というより「用途が違う米」と考えるのが正解です。
Q2. カルローズ米はどこで買えますか？
A. 現在はAmazonなどの通販サイトで入手可能です。2025年6月以降は、イオンの店舗やネットスーパーで「かろやか」として販売予定です。
Q3. 輸入米は安全性の面で不安ですが、大丈夫ですか？
A. カルローズ米はアメリカの厳格な農産物基準に基づいて管理されており、日本への輸入時にも残留農薬などのチェックを通過しています。食品安全性は十分に担保されています。
Q4. 国産米とカルローズ米を混ぜて炊くのはアリですか？
A. 可能ですが、粒の大きさや粘りが異なるため、炊飯時の水加減に工夫が必要です。リゾットや雑炊など、用途を限定した混合はおすすめです。
国産米の価格高騰に対し「選べる米」という新常識を
これまで日本では、「お米＝国産」という価値観が一般的でした。しかし、価格が急上昇する現在、価格・用途・味のバランスを見ながらお米を使い分ける時代に突入しています。
イオンが2025年6月に販売を予定しているカルローズ米「かろやか」は、そんな選択肢のひとつとなる可能性を秘めています。
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国産米が高くて困っている方
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お弁当や作り置きに適したお米を探している方
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チャーハンやリゾットに使いやすい米を探している方
こうした方にとって、カルローズ米はコスパと実用性の両方を兼ね備えた頼れる存在となるでしょう。
