【ついに実現へ】 政府が長年「安定財源」として維持してきたガソリン暫定税率(当分の間税率)の廃止が、ここにきて大きく動き出しました。
国民民主党などが「国民の負担」として強く訴え、政局の焦点としたことで、与野党6党は実務者協議で「年内廃止」を目指すことで大筋合意。
高騰するガソリン代で苦しむ家計に朗報であり、実現すれば1リットルあたり約25円の値下げとなり、あなたの暮らしは大きく変わる可能性があります。
年内廃止へ!与野党が一致した「衝撃の舞台裏」
ガソリン税に上乗せされている暫定税率の廃止時期を巡り、自民、公明、立憲民主、国民民主など与野党6党の実務者による協議が10月29日に行われました。
この暫定税率は、政府・与党が道路整備などの安定財源として長年維持し、事実上恒久化されてきたものです。しかし、ガソリン価格が高騰する中、国民民主党は2021年の衆議院総選挙以来、これを「国民の負担」として強く問題提起し、複数回にわたり廃止法案を提出してきました。
特に2024年12月には、自民・公明との3党幹事長間で一時「廃止する」ことで合意したものの、代替財源の確保を巡る協議が決裂。国民民主党などは再度野党連携を強め、「年内廃止」を与党に迫る最大の政治課題としました。
当初、与党側は現場の混乱を避けるため年明けの廃止を主張していましたが、国民民主党の強い働きかけと世論の高まりを受け、最終的に野党側の要求に譲歩。「年内廃止を目指し努力していく」ことで大筋合意しました。この合意は、国民民主党の継続的な問題提起と推進力が、長年の政治課題を大きく動かした結果と言えます。
家計が助かる!1リットルあたり25.1円減税の衝撃
現在ガソリン価格には、本則の税率に加え、1リットルあたり25.1円の暫定税率が上乗せされています。この税率が廃止されることで、ガソリン価格は単純に約25.1円値下げされます。
さらに、ガソリン税にも消費税が課されている「二重課税」の状態も実質的に解消されるため、消費者にとっての価格低下効果は25.1円をわずかに上回ると見込まれています。実現すれば、ガソリン価格が高騰する中で、国民の家計負担を直接的に軽減する大きな措置となります。
✅ 車を使わない人にも恩恵あり
この減税効果は、ガソリンの購入者にとどまりません。ガソリンや軽油は物流の主要なコストであるため、価格が下がればトラックや船舶の輸送コストが減少します。その結果、スーパーに並ぶ食料品や日用品、工場製品など、あらゆる商品の輸送コストが下がり、企業は販売価格を抑えやすくなります。つまり、車に乗らない人も、物価高の抑制という形で間接的な恩恵を受けることが期待されます。
減税効果の限界?「円安・物価高」をどこまで抑制できるか 📉
1リットルあたり約25円の値下げは家計にとって大きな助けとなりますが、この減税効果が、現在日本を襲っている円安や国際的な原油価格の高騰による物価高をどこまで抑制できるかについては、専門家の間で慎重な意見もあります。
- 円安の壁: ガソリンや原油はすべてドル建てで輸入されるため、円安が進行すれば、減税額($25$円程度)を上回るペースで輸入価格が上昇し、小売価格全体を押し上げる可能性があります。
- 一時的な緩和: この減税措置は、ガソリン価格の「水準」を下げる効果はありますが、物価高の根本的な原因(金融・為替政策、地政学リスクなど)を解消するものではありません。
このため、減税は家計負担を「緩和」する手段としては有効であるものの、過度な期待は禁物であり、政府には代替財源確保とともに、より本質的な経済政策が求められます。
どうなる?廃止までの「補助金」を使った移行スケジュール
暫定税率の廃止は、ガソリン価格を大きく動かすため、急激な価格変動やガソリンスタンドなど現場の混乱を避けるための詳細な移行措置が講じられます。
廃止までの間、現在政府が行っている燃料価格高騰を抑えるための補助金を活用し、段階的に価格の引き下げを進めます。
移行は主に以下の3つの段階を経て行われ、補助金と減税が連動することで価格の急騰を防ぎます。
- 第1段階:補助金の段階的増額
- 現在1リットルあたり約10円程度の補助金を、暫定税率の額に相当する約25円まで順次引き上げていきます。これは、減税の前に価格を一時的に最大限抑制する措置です。
- 第2段階:補助金と減税の連動
- 補助金が25円に達した時点で、暫定税率(25.1円)を正式に廃止します。これにより、価格への影響を補助金から減税に切り替えます。
- 最終段階:恒久的な値下げ
- 廃止後は補助金を終了し、最終的に1リットルあたり約$25$円の恒久的な値下げを実現します。
この仕組みにより、消費者は廃止の前後で価格が急騰することなく、スムーズに恒久的な値下げの恩恵を受けられるようになります。
残された壁!財源確保とマクロ経済の難題
「年内廃止」に向けた道筋は見えましたが、クリアすべき大きな課題が残されています。主な焦点は以下の二点です。
- ① 1兆円超の恒久財源確保:暫定税率が廃止されると、国と地方を合わせて年間1兆円を超える税収が減少します。この巨額な減収分を補うための恒久的な代替財源をどう確保するかが、最大の焦点であり、引き続き与野党協議が続けられます。
- ② 円安・物価高への効果の持続性:減税は家計負担を直接緩和しますが、円安や原油高といったマクロ要因による物価上昇の勢いによっては、その効果が限定的になる可能性があります。単なる減税に留まらず、物価高にどう対処するかの本質的な経済政策が求められます。
与野党は、代替財源の確保と具体的な施行日(12月中のいつか)の調整という難題の解決に向け、引き続き協議を加速させる方針です。この協議は現時点では「大筋合意」に留まっており、実際に減税が実現するかどうかは今後の法案化と国会審議にかかっています。その為、国民一人ひとりがその進捗を引き続き注視していく必要があります。
❓ FAQ(よくある質問)
Q1. 実際に安くなるのはいつからですか?
具体的な施行日はまだ確定していませんが、与野党は年内の廃止を目指すことで合意しています。法案成立と具体的な施行日が決定され次第、速やかに実施される見込みです。
Q2. どのくらい値下げされますか?
1リットルあたり約25円の値下げが見込まれます。これは、暫定税率の25.1円と、それに伴う消費税の二重課税部分の解消による効果の合計です。
Q3. 減税されるのはガソリンだけですか?
はい、現時点の与野党間の協議で年内廃止の対象となっているのは、主にガソリン(揮発油税)にかかる暫定税率です。軽油などにかかる暫定税率については、引き続き議論が継続される見通しです。

