2025年、群馬県伊勢崎市で41.8℃という国内観測史上最高の気温が記録されたのをご存知でしょうか。40℃を超える日は、もはや珍しいものではなくなりつつあります。
そんな中、天気予報で「酷暑日」という言葉を耳にする機会も増えてきました。何気なく聞いていたこの言葉ですが、ふと「あれ、これって今年から使われ出した言葉だっけ?でも去年も聞いた記憶があるような…」と引っかかり、気になって調べてみることにしました。
調べてみると、実はどちらの記憶も正解でした。この言葉、ちゃんとした経緯があったんです。
「酷暑日」誕生の経緯
「酷暑日」という言葉が使われ始めたのは、2022年8月のこと。日本気象協会が、最高気温40℃以上の日を指す言葉として独自に名付けたのが始まりでした。当時から熱中症リスクの高さを伝えるために、ニュースや天気解説の中で使われてきたそうです。
そして2026年4月17日、気象庁がこの「酷暑日」を正式な予報用語として採用することを発表しました。気象庁のホームページで一般向けにアンケートを実施したところ、13の候補と自由回答を合わせて47万件を超える回答が寄せられ、その中で最も多くの支持を集めたのが「酷暑日」だったとのことです。
ちなみに他の候補には「超猛暑日」「極暑日」「炎暑日」などがあったそうで、自由記述では「サウナ日」といったユニークな案も寄せられていたのだとか。
つまり「今年から」というのは、気象庁の正式な予報用語になったという意味で合っていて、「去年も聞いたことがある」というのも、気象協会が2022年から使い続けていた言葉だったという意味で合っていたわけです。
夏日・真夏日・猛暑日・酷暑日の違い
ここで改めて、気温にまつわる用語を整理してみました。実はこれらの用語、すべて同じタイミングで生まれたわけではありません。
| 用語 | 最高気温の目安 |
|---|---|
| 夏日(なつび) | 25℃以上 |
| 真夏日(まなつび) | 30℃以上 |
| 猛暑日(もうしょび) | 35℃以上 |
| 酷暑日(こくしょび) | 40℃以上 |
「夏日」「真夏日」は古くから使われてきた言葉ですが、「猛暑日」が気象庁の予報用語として仲間入りしたのは2007年のこと。90年代後半から35℃を超える日が急増したことを受けて、新たに定義された言葉でした。それまでは「真夏日」までしかなく、35℃以上を表す正式な区分がなかったそうです。
そして今回、その「猛暑日」だけでは表現しきれないほどの暑さが増えたことで、「酷暑日」が新たに加わった、という流れになります。こうして見ると、暑さの記録が更新されるたびに、それを言い表す言葉も少しずつ追加されてきたことがわかります。
なぜ今、新しい言葉が必要だったのか
気象庁によると、2018年以降、40℃以上を観測する地点が毎年出ているそうです。特に2025年は、群馬県伊勢崎市で国内観測史上最高となる41.8℃を記録するなど、全国で過去最多となる延べ30地点が40℃以上を記録したとのこと。
気温の記録だけでなく、実際の被害も深刻になっています。総務省消防庁によると、2025年5〜9月の熱中症による救急搬送者数は全国で10万510人にのぼり、2008年の統計開始以来初めて10万人を超え、過去最多を更新しました。搬送直後に死亡が確認された人も117人にのぼったそうです。
気象庁の担当者は、新しい名称を導入した狙いについて、暑さや地球温暖化への関心を高める活動を進めていきたい、「酷暑日」という言葉を受け取ることで暑さに対する行動が必要と感じてもらえるようになれば、といった趣旨のコメントを残しています。
「猛暑日」という言葉だけでは、こうした極端な暑さの危険性を十分に伝えきれなくなってきた、というのが新しい用語が生まれた背景にあるようです。
「酷暑日」を見聞きしたら
「酷暑日」という言葉が使われるのは、熱中症のリスクが極めて高い状況ということ。エアコンを適切に使う、外出の予定を見直す、こまめに水分・塩分をとるなど、いつも以上に対策を意識したいところです。日傘や吸湿性の高い服装を選ぶ、日中の運動や作業をできるだけ避けるといった工夫も効果的です。
特に注意したいのが高齢者です。熱中症で救急搬送される人のうち、65歳以上が全体の半数以上を占めるというデータもあります。喉の渇きを感じにくくなる方もいるため、家族や周囲が声をかけ合うことも大切です。
また、気象庁と環境省は、危険な暑さが予想される際に「熱中症警戒アラート」を発表しています。「酷暑日」という言葉とあわせて、こうした情報もこまめにチェックしておくと安心です。
日本気象協会の予測では、2026年の夏も記録的な暑さが続く地域が多くなりそうとのことなので、この言葉を見聞きする機会は今後も増えていきそうです。
〜「酷暑日」を知っておくと役立つこと〜
「酷暑日」は2022年に日本気象協会が独自に名付けた言葉が、2026年4月に気象庁の正式な予報用語として採用されたものでした。夏日・真夏日・猛暑日に続く、40℃以上を指す新しい区分ということですね。
言葉が新しくなったのは、単なる呼び方の変化ではなく、「猛暑日」だけでは伝えきれないほどの暑さが実際に増えているから、という背景があります。天気予報でこの言葉が出てきたときは、それだけ危険な暑さが迫っているサインだと捉えて、早めの対策を心がけたいところです。
今年の夏、この言葉を耳にする機会があったら、「ああ、今年から正式な用語になったんだったな」と、この記事のことを思い出していただければと思います。

