「URLが“http”のままで大丈夫?」「“保護されていない通信”と表示されて不安」
こんなふうに感じたことはありませんか?
近年、インターネットの利用が当たり前になった今だからこそ、Webサイトの「安全性」はますます重要視されています。その中心にあるのが SSL化 です。
この記事では、SSL化とは何か、その重要性、見分け方、そして具体的な設定方法などについて、ご紹介します。
1. SSL化とは?
SSL化とは、Webサイトとユーザーの間でやり取りされるデータを 暗号化する仕組み を導入することです。
SSLは「Secure Sockets Layer(セキュア・ソケット・レイヤー)」の略で、主に下記のような個人情報や重要なデータのやり取りを安全に保護するために使われます。
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名前・メールアドレス・クレジットカード番号などの個人情報
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パスワードやログイン情報
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お問い合わせフォームの入力内容
SSL化されたサイトでは、第三者による盗聴や改ざんが起こりにくくなるため、ユーザーは安心してアクセスできるようになります。
2. SSL化のメリット(なぜ必要なのか)
SSL化の重要性は年々高まっており、以下のようなメリットがあります。
✅ 通信の暗号化による「安全性の確保」
SSL化されていないサイトでは、入力した情報がそのままインターネット上を流れるため、悪意のある第三者によって内容を盗まれるリスクがあります。
SSL化によって通信が暗号化されることで、このような情報漏洩の危険が大幅に減ります。
✅ ブラウザのセキュリティ警告を防ぐ
ChromeやSafariなどの主要ブラウザでは、SSL化されていないサイトにアクセスすると「保護されていない通信」と表示され、ユーザーに不安を与えてしまいます。
SSL化により、鍵マークが表示されることで安心感を与えることができるため、ユーザー離脱を防げます。
✅ SEO(検索順位)にプラス評価
GoogleはSSL化を「ランキング要因のひとつ」と明言しており、SSLに対応したサイトはSEO面でも有利になります。
3. SSL化されているサイトの見分け方
SSL化されているかどうかは、ブラウザのアドレスバーを見れば簡単に確認できます。
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SSL化済みサイト →
https://
で始まり、鍵マークが表示される -
SSL未対応サイト →
http://
で始まり、「保護されていない通信」と表示されることがある
ユーザーの信頼を得るためにも、https表示+鍵マークの状態が理想です。
4. SSL化の手順と設定方法
SSL化は以下のステップで行うことができます。
ステップ①:SSL証明書を導入する
SSL化の第一歩は「SSL証明書」を取得・設定することです。
▷ Let’s Encryptとは?
Let’s Encryptは、無料で使えるSSL証明書を提供している非営利団体です。多くのレンタルサーバーがLet’s Encryptに対応しており、管理画面からワンクリックで簡単に導入できます。
▷ SSL証明書の導入方法(一般的なパターン)
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エックスサーバー、ロリポップ、ConoHa WINGなど:管理画面から無料SSLを「有効化」するだけ
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企業サイトやECサイトなどでは、有料の証明書(信頼性・保証付き)を選ぶケースもあります
ステップ②:サイトをHTTPSで常時表示させる(http→httpsリダイレクト設定)
SSL証明書を導入しただけでは、httpでのアクセスも可能な状態です。
これを 常時https化(リダイレクト設定) することで、すべてのアクセスを安全な通信に統一できます。
設定方法は以下の3パターンに分かれます。
【1】サーバーの「常時SSL化」機能を使う(最も簡単)
多くの国内レンタルサーバーには、httpからhttpsへのリダイレクトを自動で設定する「常時SSL化」機能が用意されています。
例
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エックスサーバー:「サーバーパネル」内の「SSL設定」から「httpsへのリダイレクト」をON
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ConoHa WING:サイト管理画面でSSLを有効化すれば、自動的にhttps化
サーバー管理に不慣れな方にはこの方法がおすすめです。
【2】WordPressを使っている場合の対応
WordPressを使っている場合は、以下の2つの方法が選べます。
A. プラグインで自動対応(簡単)
「Really Simple SSL」などのプラグインを使えば、httpsへの自動リダイレクトや混在コンテンツの修正も一括で行えます。
特徴
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SSL証明書の検出
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.htaccess
へのリダイレクト記述の自動追加 -
内部リンクのURL置換も自動
初心者には非常に便利です。
B. 手動でURLを変更(中級者向け)
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SSL証明書の導入後、WordPress管理画面の「設定 → 一般」へ
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「WordPress アドレス(URL)」と「サイトアドレス(URL)」をhttps://〜に書き換える
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必要に応じて、
.htaccess
でリダイレクト設定も追加(下記参照)
🔔 注意:上記の設定を行う時は、変更前に必ずバックアップを取ってください。設定ミスで管理画面に入れなくなることがあります。
【3】.htaccessを使って手動でリダイレクト設定する(上級者向け)
Apacheサーバーで運用しているサイト(HTMLや独自CMSなど)では、.htaccess
を使ったリダイレクトが可能です。
以下のコードを.htaccess
の先頭に追加してください。
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]
用途
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静的HTMLサイト
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WordPressでプラグインを使わない場合
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特定のURL構造に合わせて柔軟にリダイレクト制御したい場合
🔔 注意:.htaccess
は構文ミスがあるとサイトが表示されなくなることがあるため、編集前に必ずバックアップを取りましょう。
SSL化は今や必須の時代
SSL化はもはや「選択肢」ではなく「標準」です。
ユーザーの信頼、安全な通信、そしてSEO評価の向上を実現するためにも、早めの対応をおすすめします。
設定自体は、現在のレンタルサーバーやCMSの進化により、思ったよりも手軽に行えるようになっています。
SSL化で、あなたのサイトの安全性と信頼性を一歩引き上げましょう。