「ソーセージが爆発する料理」 と聞いたら、あなたは興味を持ちますか?
実は、そんな少し変わった名前の由来を持つ、英国の国民食があります。それが、イギリスやアイルランドのパブや家庭で愛される「バンガーズ&マッシュ」 です。シンプルながらも心温まるこの料理は、まさに英国の「おふくろの味」。一度食べると忘れられない魅力に満ちています。
バンガーズ&マッシュってどんな料理?
「バンガーズ&マッシュ」は、その名の通り、「バンガーズ(Bangers)」 と呼ばれるソーセージと、「マッシュ(Mash)」 と呼ばれるマッシュポテトを組み合わせたシンプルな料理です。焼いたジューシーなソーセージと、なめらかでクリーミーなマッシュポテトを同じ皿に盛り付け、上から濃厚な玉ねぎのグレービーソースをたっぷりとかけていただきます。
グリーンピースなどの温野菜が添えられることも多く、見た目にも彩り豊かです。
なぜ「バンガーズ」って呼ぶの?
「ソーセージ」を意味する「バンガーズ」という少し変わった名前には、面白い歴史があります。
第一次世界大戦中、物資が不足していたイギリスでは、肉の代わりにパン粉や水などを多く混ぜてソーセージを作っていました。そのため、調理中に熱を加えると内部の蒸気が膨張し、「バン!」という音を立てて破裂することがよくありました。この音から「バンガーズ」と呼ばれるようになった、という説が最も有力です。
バンガーズ&マッシュの人気のヒミツ
この料理が長年愛され続けているのには、いくつかの理由があります。
- シンプルなのにクセになるおいしさ ソーセージの旨味、マッシュポテトのクリーミーさ、そしてコクのあるグレービーソースの組み合わせは絶妙です。家庭やパブによって使われるソーセージの種類やグレービーソースのレシピが異なるので、そのバリエーションを楽しむのも醍醐味の一つです。
- イギリスのホッとする味 バンガーズ&マッシュは、安価で手軽に作ることができ、お腹をしっかり満たしてくれます。多くのイギリス人にとって懐かしく、安心感のある料理として親しまれており、まさに「コンフォートフード(心の安らぎになる料理)」なんです。
- パブには欠かせないメニュー 多くのパブで定番メニューとして提供されており、ビールやエールと一緒に楽しむのが英国流のスタイルです。パブの賑やかな雰囲気の中で食べるバンガーズ&マッシュは、格別の美味しさです。
日本でも食べられる!バンガーズ&マッシュのお店
「本場の味を体験してみたいけど、イギリスまで行くのは難しい…」と思った方もご安心ください。日本でも、バンガーズ&マッシュを味わえるお店はたくさんあります。
特に、ブリティッシュパブやアイリッシュパブでは、本場さながらのメニューとして提供されていることがほとんどです。ビールやエールと一緒に楽しむことで、まるでイギリスにいるかのような気分を味わえます。また、本格的な自家製ソーセージを売りにしているお店でも、見つけられることが多いでしょう。
お近くのお店を探したい場合は、「地名+イギリス料理」や「地名+パブ」といったキーワードで検索してみるのがおすすめです。
自宅で作れる!簡単バンガーズ&マッシュ
イギリスのソーセージは手に入りにくいかもしれませんが、日本のソーセージやフランクフルトでも十分おいしく作ることができます。ぜひご自宅で試してみてください。
【材料】
- お好みのソーセージ
- じゃがいも
- 牛乳、バター
- 玉ねぎ
- コンソメ、醤油
- 片栗粉(またはコーンスターチ)
【作り方のポイント】
- マッシュポテト: じゃがいもは柔らかく茹で、熱いうちにしっかりとつぶします。牛乳とバターを少しずつ加え、なめらかになるまで混ぜるのがポイントです。
- ソーセージ: フライパンで弱火でじっくりと焼き、中までしっかり火を通しましょう。
- グレービーソース: ソーセージを焼いた後のフライパンで薄切りにした玉ねぎを炒め、コンソメと少量の醤油で味を調えます。水溶き片栗粉でとろみをつければ完成です。
バンガーズ&マッシュにまつわるトリビア
- コンフォートフードの王様: 貧しい時代に、安価で栄養が取れる食事として定着したことから、現代でも「おふくろの味」として愛されています。
- 関連料理: バンガーズ&マッシュは、似たようなシンプルさが人気の料理「コテージパイ」や「フィッシュ&チップス」と並び、イギリスを代表する大衆食です。
- マッシュポテトのバリエーション: イギリスではマッシュポテトに茹でたキャベツを混ぜる「コールカノン」や、前日の野菜の残り物を混ぜて焼く「バブル&スクイーク」を添えることもあります。
イギリスへ旅行する機会があれば、ぜひパブで本場のバンガーズ&マッシュを味わってみてください。その素朴で温かい魅力に、きっと心惹かれるはずです。