2025年5月、Yahoo!広告のディスプレイ広告(運用型)において、新たな自動入札戦略「コンバージョン価値の最大化」が正式に提供開始されました 。この機能は、広告主が設定した1日の予算内で、コンバージョンの価値を最大化するように入札価格を自動調整します。
本記事では、「コンバージョン価値の最大化」の概要や導入方法、特にECサイトでの活用ポイントなどについてご紹介します。
コンバージョン価値の最大化とは?
「コンバージョン価値の最大化」は、キャンペーンの1日の予算を最大限に活用し、価値の高いコンバージョンを獲得するように入札価格を自動で調整する入札戦略です 。従来の「コンバージョン数の最大化」では、コンバージョンの数を重視していましたが、本戦略ではコンバージョンの「価値」に焦点を当てています。
導入によって期待できる効果
1. 高単価ユーザーの獲得に最適化
この機能を活用することで、単価の安い商品の購入を狙うのではなく、高単価商品を購入する傾向のあるユーザー層に広告配信が集中するようになります。たとえば、ECサイトで1,000円の商品よりも5,000円の商品を購入するユーザーを優先的にターゲットとする戦略が可能です。
2. 広告費の投資対効果(ROAS)が向上
従来の自動入札ではCPAを一定に保つことが主眼でしたが、「コンバージョン価値の最大化」では広告費1円あたりの収益を最大化することが目的になります。これにより、同じ広告予算でも得られる利益を最大化できる可能性が高まります。
3. 商品ラインナップに価格差がある場合に特に有効
価格帯が幅広い商品を扱っている場合、単純にコンバージョン数を増やす運用では、どうしても単価の安い商品の成約ばかりが伸びがちです。しかし、「価値」の最大化に焦点を当てることで、利益率の高い商品に注力した配信が実現できます。
4. 手動調整の手間が減り、運用が省力化
この入札戦略は機械学習によって自動的に最適化されるため、細かい入札調整やターゲティングを手動で行う必要がありません。運用負担を軽減しながらも、効果的な配信が行えるのが大きな魅力です。
効果を最大化するためのチェックリスト
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コンバージョンの価値を正確に設定しているか
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過去のコンバージョンデータを十分に蓄積しているか
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予算設定が適切か
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キャンペーンの目的と一致しているか
よくある質問と注意点
Q:コンバージョンごとの価値はなぜ必要なのですか?
A:売上に基づいた入札最適化を行うため、同じCVでも金額が違う場合、価値に差をつける必要があります。
Q:value変数はどうやって設定すればいいですか?
A:購入完了ページで実際の購入金額を変数としてCVタグに渡します。使用カートによって異なるため、マニュアルを確認してください。
売上最大化を狙うなら今すぐ導入を
「コンバージョン価値の最大化」は、従来のCPA重視の広告運用から一歩進み、本質的なビジネス成果に直結する運用手法へと進化させる機能です。特に収益性の高いユーザーの獲得を重視する広告主にとっては、売上アップや広告費の効率化に大きく貢献する可能性があります。
Yahoo!広告をすでに活用している企業はもちろん、これから導入を検討している事業者も、ぜひ本機能の導入を検討してみてください。