6月3日 17:53 「問われる信頼と説明責任」──都議会自民党の裏金問題を追う | マーケターのつぶやき

「問われる信頼と説明責任」──都議会自民党の裏金問題を追う

2025年6月、東京都議会議員選挙が行われます。有権者が都政の未来を託すこの重要な選挙を前に、重大な政治とカネの問題が浮上しています。それが、都議会自民党による裏金問題です。

この問題は単なる「記載漏れ」ではありません。政治資金収支報告書に記載すべきパーティー収入を長年にわたり意図的に不記載にしてきたという、組織的かつ構造的な疑惑が指摘されています。

しかも、その手口は国政自民党の派閥による裏金づくりと全く同じ構造。都政と国政の間に境界線など存在しないかのような、深い癒着体質が明るみに出たのです。

なぜこの問題が重要なのか?

2024年末から2025年初頭にかけて、自民党の複数派閥が政治資金パーティーで得た収入を裏金化していた問題が国会で取り上げられました。その調査が進む中、都議会自民党でも同様の不記載が横行していたことが「しんぶん赤旗」の報道によって明らかになりました。

つまり、都政においても:

  • パーティー収入の一部を記載せず

  • 「キックバック」として事実上の裏金化

  • 公的記録に残らない“ブラックボックス資金”としてプール

つまり、国政でも都政でも、自民党は同じ構造で裏金を作っていたということです。

【問題の概要】

  • 不記載額:約2,900万円

  • 関与都議:少なくとも38人(現職含む)

  • 発覚:政治資金収支報告書への不記載(2019年~2022年分)

  • 略式起訴:元経理職員1人(逮捕者はなし)

【説明責任の曖昧さ】

  • 参考人としての出席は一部のみ。

  • 回答には「慣例」「記憶にない」「資料提出拒否」など不明確な点が多く、都議会としての説明責任が果たされたとは言えない状態。

【辞職はゼロ、議長辞任のみ】

  • 宇田川議長が不記載を認め辞任したが、議員辞職はせず。

  • 幹事長経験者6人は都連が公認見送り予定。

【有権者への問いかけ】

「知らなかった」「しょうがない」では済まされない。
この選挙で問われるのは、説明責任を果たさず、慣例を放置したまま再選を目指す政治家を許すのかどうかです。

【不記載問題に関与した現職都議たち】

2025年1月24日付「しんぶん赤旗」による報道では、政治資金パーティー収入の不記載があった現職の自民党都議は以下の16人とされています(不記載額は万円単位)。

  • 石島秀起(中央区)
     不記載額:30万円

  • 吉住栄郎(新宿区)
     不記載額:46万円

  • 鈴木章浩(大田区)
     不記載額:132万円

  • 三宅茂樹(世田谷区)
     不記載額:251万円

  • 小宮安里(杉並区)
     不記載額:250万円
     ※幹事長経験者。証言内容に注目。

  • 早坂義弘(杉並区)
     不記載額:214万円

  • 河野雄紀(板橋区)
     不記載額:39万円

  • 柴崎幹男(練馬区)
     不記載額:241万円

  • 発地易隆(足立区)
     不記載額:37万円

  • 宇田川聡史(江戸川区)
     不記載額:138万円
     ※元都議会議長。問題発覚後、議長職を辞任。

  • 伊藤祥広(八王子市)
     不記載額:194万円

  • 星大輔(町田市)
     不記載額:12万円

  • 本橋巧(北多摩2区)
     不記載額:10万円

  • 田村利光(西多摩)
     不記載額:287万円

  • 小礒明(南多摩)
     不記載額:65万円

  • 三宅正彦(島部)
     不記載額:332万円
     ※現職中では最多の不記載額

※情報出典:「しんぶん赤旗(2025年1月24日付)

自民党はこの問題にどう向き合ってきたのか?

ここで改めて問いたいのは、自民党が国政でも都政でもこの問題にどう対応してきたのかという点です。

共通して見られるのは、説明責任の放棄と責任回避の姿勢です。

▫ 「違法ではない」と開き直る

政治資金規正法違反にはあたらないと主張し、倫理的・政治的責任を認めない態度。

▫ 議員辞職ではなく、役職辞任で幕引き

元都議会議長の宇田川聡史氏は辞任しましたが、議員バッジはそのまま。国政でも同様に、議員辞職した者はわずか。

▫ 組織的な問題を個人の“記憶違い”にすり替え

都議会でも「慣例だった」「記憶にない」との発言が相次ぎ、組織ぐるみの実態にフタをしたままです。

▫ 調査や改革の実行はゼロ

都議会では調査特別委員会も設置されず、自民党都連も党内調査や処分を行わず沈黙を貫きました。

なぜ責任が問われないのか?

問題発覚後、一部議員は記者会見などで「慣例だった」「記憶にない」と発言。議長である宇田川聡史氏は辞任しましたが、議員辞職した者は一人もいません。また、都議会として調査委員会を立ち上げるなどの対応もありませんでした。

さらに、自民党都連も「法的には問題ない」として、党内処分も見送りました。

このまま「誰も責任を取らない政治」でいいのか?

裏金をつくりながら、説明も謝罪もなく、処分もされずに選挙に出る。
それでも当選すれば「民意を得た」とされる。

そんな仕組みを許しているのは、私たち有権者の無関心かもしれません。

見せかけの改革だった国政の“前科”

国政の裏金問題でも、自民党は一連の「改革案」を打ち出しましたが、いずれも“やってる感”だけで、実効性に乏しいものでした。

以下がその一例です:

  • 派閥は「政策集団」に衣替えしましたが、金の流れや序列は変わっていません。

  • 政治資金規正法の改正では会計責任者への罰則強化が検討されましたが、議員本人の責任はあいまいなままです。

  • 第三者監視の仕組みは設けられず、自民党内での自己点検で終了しました。

  • 岸田首相の「政治刷新本部」も注目されたのは最初だけで、数ヶ月で活動が事実上止まりました。

結果として、裏金に関与した議員の多くがそのまま再選され、政治の構造も変わっていません

都議選2025でも、同じ轍を踏むのか?

都議会自民党の裏金問題も、国政と同様に「曖昧なまま選挙に突入」しようとしています。

  • 裏金の責任は曖昧

  • 説明責任は未履行

  • 党としての処分もない

  • それでも、多くの関係議員が立候補する見込みです

この状況で、また同じように投票してしまえば、「改革しなくても当選できる」もしくは「改革しない方が当選できる」と政治家に思わせることになるのです。

あなたの一票が都政を変える

私たち有権者には、選挙という「意思表示」の手段があります。
都政を変えたい、裏金政治を終わらせたい──そう思うなら、その意志を投票という形で示すことができます。

有権者の目が問われている

都議選2025は、こうした「癒着体質」を許すのかどうかを、有権者自身が判断する選挙でもあります。

  • 「知らなかった」では済まされません。

  • 「誰がやっても同じ」ではありません。

  • 「投票しない」という選択が、こうした体質を延命させます。

前回衆院選と同じ轍を、また踏むのか?

裏金問題の渦中にいた国政の自民党議員たちが、説明も処分もないまま再選され、
何事もなかったかのように振る舞う現実を、私たちは既に目にしました。

あの時、私たちは「見て見ぬふり」をしてしまったのではないでしょうか?
そして今、同じことが都議会で起きようとしています。

同じ過ちを、また繰り返していいのでしょうか?

  • 説明を果たさない候補を、再び選ぶのか

  • 責任を取らない体質を、黙認するのか

  • 都政まで、裏金構造に沈ませるのか

「誰がやっても同じ」ではなく、「誰を選ぶかで未来は変わる」。

都議選2025、この選挙を「何も変わらなかった」で終わらせないために──
ぜひこの問題を共有してください。