春先や初夏になると、お酒売り場やレストランのメニューに増えてくる、きれいなピンク色のワイン。見た目の華やかさから気になってはいるものの、「赤ワインと白ワインを混ぜているのかな?」「味はどっちに近いんだろう?」と、なんとなく手が伸びずにいる方も多いのではないでしょうか。
私自身も、先日スーパーのお酒コーナーでこの美しいピンク色のボトルを見かけて、思わず足を止めてしまいました。調べてみると、実は赤と白を混ぜて作られているわけではなく、ちゃんとした専用の製法があることを知り、ちょっと驚きました🍷
この記事では、ロゼワインがどうやって作られているのか、どんな味わいなのか、どんな料理と相性が良いのかといった基本のポイントを、初心者目線でひとつずつ整理してみました。読み終わる頃には、お酒売り場でロゼワインを手に取るハードルがぐっと下がっているかもしれません。
🌸 ロゼワインとは?
ロゼワインは、赤ワインと白ワインのちょうど中間のような存在で、色合いは薄いピンクから鮮やかなサーモンピンク、濃いめのラズベリー色まで幅広いようです。
「ロゼ(Rosé)」はフランス語で「バラ色」という意味だそうで、その名の通り華やかな見た目が特徴的だと感じました。赤ワインのような黒ブドウを使いながらも、果皮と果汁を接触させる時間を短くすることで、あの美しいピンク色が生まれるみたいです。
調べていて意外だったのが、ロゼワインの歴史はかなり古く、古代ローマ時代にまで遡るらしいということです。当時はまだ醸造技術が発展途上だったため、自然に任せて造ると薄い色合いのワインになりやすかったようで、それが今でいうロゼに近いスタイルだったみたいです。ワインの中でも「最初のスタイル」と言われることもあるそうで、なんだか歴史の重みを感じました。
ちなみに、ロゼの名産地として知られるフランス・プロヴァンス地方にロゼワインが多いのも、古代ローマ人がこの地にワイン造りの技術を伝えたことと関係しているそうです。
ただ、こうして歴史をたどってみると面白いギャップがあることに気づきました。ワインのスタイルとしては最古級なのに、なんとなく「新しいワイン」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。実はこれ、気のせいではないようです。
フランスでは2000年代にロゼワインの消費量が白ワインを上回るようになり、アメリカでも近年、若い世代を中心に人気に火がついたと言われています。日本ではさらに事情が独特で、1980年代に流行った甘口ロゼのイメージが根強く残っていたことから「ロゼ=甘口」「初心者向け」という印象を持たれがちで、しばらく敬遠されていた時期もあったようです。最近になって、実際には辛口のロゼが主流であることが知られるようになり、改めて注目され始めているとのことでした。
つまり、ワインとしての歴史はとても古いのに、今のように広く親しまれるようになったのはここ10〜20年ほどの動きらしく、「歴史は古いのに、人気は今まさに来ている」という二重構造があるみたいです。このギャップを知ってから、なんだかロゼワインへの見方が少し変わった気がします。
赤ワインとの違いは、果皮に果汁を漬け込む時間の長さにあるようです。赤ワインは長時間漬け込んでしっかりと色素やタンニン(渋み)を抽出するのに対し、ロゼワインは短時間で切り上げるため、渋みが控えめで軽やかな仕上がりになるみたいです。一方、白ワインは基本的に果皮を使わずに造られるので、ロゼワインは製法の面でも赤と白のちょうど中間に位置していると言えそうです。
また、色の濃淡によっても味わいの傾向が変わってくるようで、色が薄いものほど軽やかですっきりとした味わいに、色が濃いものほど果実味やコクがしっかり感じられる傾向があるそうです。ボトルを選ぶときに、色の濃さを一つの目安にしてみるのも良さそうだなと思いました。
💡 ちょっと豆知識
ロゼワインは「赤と白を混ぜて作る」と思われがちですが、実はそうではないケースがほとんどなんだそうです。詳しい製法は次の章でご紹介しますね。
🍇 主な製法について
① セニエ法
ロゼワインの製法の中で最もよく使われているのが、このセニエ法だそうです。「セニエ」はフランス語で「血抜き」という意味で、途中で果汁だけを抜き取る作業の様子からこの名前がついたみたいです。
作り方は赤ワインとほぼ同じで、黒ブドウを果皮ごとタンクに入れて8〜48時間ほど漬け込み(マセラシオンと呼ぶそうです)、ほんのりピンク色に色づいたところで果汁だけを抜き取り、その後は果汁のみを発酵させて仕上げるとのことです。果皮に触れている時間がある分、色素だけでなくタンニン(渋み)もある程度抽出されるので、次にご紹介する直接圧搾法に比べるとやや色が濃く、果実味やコクを感じやすい仕上がりになるようです。
② 直接圧搾法(プレス法)
こちらは白ワインとほぼ同じ造り方をする方法だそうです。黒ブドウを果皮ごとそのまま圧搾機にかけて、絞った果汁だけを発酵させます。圧搾する瞬間にほんの少しだけ果皮の色素が果汁に移ることで、あの淡いピンク色が生まれるとのことでした。
果皮に長く浸すセニエ法と違って、色素が抽出されるのは圧搾の瞬間だけなので、セニエ法よりも淡い色合いで、タンニンも控えめな軽やかな味わいに仕上がりやすいそうです。「ウィユ・ド・ペルドリ」という銘柄がこの製法で造られることで知られているみたいです。
③ 混醸法
黒ブドウと白ブドウを混ぜた状態で、セニエ法と同じ工程で発酵させる方法だそうです。ブドウの種類が違うだけで作り方自体はセニエ法とほぼ同じとのことでした。歴史的には、12世紀頃のボルドーで造られていた「クラレット」というワインもこの製法だったと言われているそうで、こちらもあまり一般的ではないようです。
④ ブレンド法(アッサンブラージュ)
すでに出来上がった赤ワインと白ワインを混ぜる方法で、シャンパーニュ地方など一部の地域でのみ認められている製法なんだそうです。実は、シャンパーニュのようなスパークリングワインの場合、セニエ法で安定した色合いに仕上げるのが技術的に難しいため、この製法が特別に認められているみたいです。それ以外の地域でこの方法を使うのはEUの規定で原則禁止されているとのことなので、「赤と白を混ぜて作る」というイメージが一般的に間違いとされているのは、こうした背景があるからのようです。
🍷 味わいの特徴
ロゼワインは軽やかでフルーティーな味わいのものが多く、爽やかな酸味が感じられるのが魅力みたいです。甘口のものから辛口のものまでバリエーションが幅広いので、好みに合わせて選べるのも嬉しいポイントだと思いました。
香り(アロマ)にも色々な種類があるようで、サクランボやイチゴ、ラズベリー、グレープフルーツといったフルーティーな香りのほか、バラやスミレのようなフローラルな香り、軽く胡椒を思わせるスパイシーな香りを感じられるものもあるそうです。同じロゼワインでも、産地や品種によって香りの表情がかなり変わってくるみたいで、飲み比べてみると発見がありそうだなと感じました。
アルコール度数は11〜14%程度のものが一般的で、赤ワインよりもやや低め、白ワインとはほぼ同じくらいの度数なんだそうです。度数が低めのものは特に軽やかな飲み口になるので、昼間や気軽な食事の時にも合わせやすいとのことでした。
甘口か辛口かは、発酵のときにどれだけ糖分を残すかによって決まるそうです。ラベルに「Sec(辛口)」「Demi-sec(やや甘口)」「Doux(甘口)」といったフランス語表記がある場合もあるので、購入時にチェックしてみると好みのタイプを見つけやすいかもしれません。世間的には「ロゼ=甘口」というイメージを持たれがちですが、実際には辛口のものも多く造られているようです。
飲み頃の温度は、辛口タイプで8〜12℃くらい、甘口タイプはそれよりやや低めの6〜10℃くらいが目安とされているそうです。よく冷やしてから楽しむのが良さそうですが、冷やしすぎると香りが感じにくくなることもあるようなので、飲む直前に少し温度を戻してあげると、香りの広がりをより楽しめるかもしれません🧊
🍽️ 合う料理
ロゼワインは魚介類や鶏肉料理との相性が良いとされていて、サラダなどのさっぱりした料理にもよく合うそうです。和食全般とも相性が良いみたいなので、普段の食卓にも取り入れやすそうだなと感じました。
ペアリングのコツとして面白いなと思ったのが「料理とワインの色を合わせる」という考え方です。ロゼワインのピンク色に合わせて、生ハムやスモークサーモン、海老、桜エビ、トマトなどピンク〜赤系の食材を選ぶと、見た目にも味わいにもしっくりくるそうです。紅ショウガのような和の食材もこの考え方に当てはまるみたいなので、意外と身近な組み合わせも多そうだなと感じました。
また、ロゼワインの色の濃淡に応じて合わせる料理を変えるのもポイントのようです。色が淡いロゼは前菜やサラダ、魚料理など繊細な味付けのものと、色が濃いロゼは鶏肉や豚肉料理、中華やエスニックなど味付けのしっかりした料理と好相性とのことでした。これは、色が濃いものほどタンニンをやや多く含む傾向があることと関係しているようです。
甘口タイプのロゼワインは、生ハムやフルーツ、チーズ、スイーツなどおつまみやデザート系との組み合わせもおすすめされているそうなので、食後の一杯として楽しむのも良さそうです。
🌍 代表的な産地
フランス・プロヴァンス地方
世界最大のロゼワイン産地として知られているそうです。ロゼワインといえばプロヴァンス、というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。淡い色合いで辛口のものが多く、爽やかな酸味とエレガントな味わいが特徴とされています。前の章で触れた「歴史は古いのに人気は最近」というギャップの発信源も、このプロヴァンス地方なんだそうです。
スペイン
「ロサード」と呼ばれるロゼワインが人気なんだそうです。プロヴァンスのロゼに比べると色合いが濃く、しっかりとした辛口タイプが多いのが特徴とされています。果実味がパワフルで、飲みごたえのあるロゼを楽しみたい時に良さそうだなと感じました。
イタリア
イタリア語では「ロザート」と呼ばれ、各地で個性豊かなロゼワインが造られているそうです。軽快でフルーティーなタイプから、しっかりとした重厚感のあるタイプ、瓶内二次発酵によるスパークリングロゼまで種類が幅広いのが特徴とのことでした。中でもアブルッツォ州の「チェラスオーロ」は、サクランボのようなしっかりとしたピンク色で知られる代表的な銘柄なんだそうです。
アメリカ・カリフォルニア
「ホワイトジンファンデル」というやや甘口タイプのロゼワインが親しまれているようです。ストロベリーのような明るくいきいきとしたフルーティーな香りが特徴とされていて、気軽に楽しめるロゼとして人気があるみたいです。
ポルトガル
「マテウス・ロゼ」という銘柄が世界的に知られていて、単一銘柄としては世界で最も売れているワインの一つなんだそうです。淡いピンク色で軽やかな甘口タイプが特徴で、日本でも以前から「入門用ワイン」として親しまれてきたみたいです。実は、世界的なロゼブームのきっかけの一つとして、このマテウス・ロゼの存在が挙げられることも多いようです。
ドイツ
「ロートリング」と呼ばれるロゼワインがあるそうです。黒ブドウと白ブドウを発酵前に混ぜ合わせて造る、混醸法に近い製法が使われているとのことでした。甘口タイプが多く、香り高く優しい味わいで、ワイン初心者や甘口好きの方にも人気があるようです。
🛒 選び方のポイント
好みの味わいを見つけるには、前の章でご紹介した甘口・辛口の表記をまずチェックしてみるのが良さそうです。
ボトルを手に取ったら、色合いを見てみるのもおすすめだそうです。ロゼワインは透明のガラスボトルに詰められていることが多いので、お店の照明にかざして色をチェックしやすいみたいです。ルビー色に近い濃いめのピンクなら赤ワイン寄りのしっかりした味わい、さくら色のような淡いピンクなら白ワインに近い軽やかな味わいの目安になるとのことでした。
また、ロゼワインの多くはフレッシュな果実味や軽やかな酸を活かす「早飲みタイプ」で、長期熟成を前提としていないそうです。透明ボトルが使われているのもそのためなんだとか。長く寝かせるよりも、購入したらなるべく早めに、できるだけ新しい年に造られたものを楽しむのが良さそうです。
また、産地によって味わいの傾向が変わってくるようなので、いろいろな産地のものを飲み比べてみるのも楽しそうだなと思いました。
飲むときも、足の高いワイングラスにこだわらず、普段使いのグラスで気軽に楽しめるのもロゼワインの良いところみたいです。肩肘張らずに選べるお酒だと思うと、なんだかハードルが下がる気がします。
✍️ ロゼワインを知ってみて感じたこと
今回はロゼワインについて、製法や味わいの特徴、産地などを一緒に調べてまとめてみました。最初は「赤と白の中間っぽいピンクのワイン」というくらいのイメージだったのですが、調べてみるとセニエ法や直接圧搾法など製法によって色合いも渋みもしっかり変わってくることや、古代ローマ時代まで遡るほど歴史が古いのに、世界的に注目されるようになったのはここ最近だという意外なギャップも知ることができました。
産地によっても個性がはっきり分かれていて、プロヴァンスのエレガントな辛口、スペインのパワフルな味わい、ドイツやポルトガルの親しみやすい甘口など、飲み比べてみたくなる要素がたくさんあるなと感じています。
赤ワインとも白ワインとも違う、ロゼワインならではの魅力が少しずつ見えてきた気がします。見た目も華やかなので、おうち時間や特別な日の食卓にも取り入れやすいお酒なのかもしれません🌸

