カレーを作るときは、具材を炒めてから水を加えて煮込むのが一般的です。しかし、水を使わず、トマトや玉ねぎ、なす、マッシュルームから出る水分だけで煮込むと、野菜と鶏肉のうま味をしっかり感じられる濃厚なカレーに仕上がります。
今回紹介する無水トマトチキンカレーは、鶏もも肉とたっぷりの野菜に、カレー粉、ホールクミン、赤だし味噌を合わせるのが特徴です。
スパイスの香りに赤だし味噌のコクが重なり、ご飯が進む奥深い味わいに。仕上げにバターを加えることで全体がまろやかにまとまり、カレールウを使わなくても満足感のある一皿になります。
2026年9月4日放送の『滝沢カレン&和田明日香のフィーリンきっちん』では、料理家の和田明日香さんが「無水トマトチキンカレー」を紹介しました。番組では「スパイス&赤だし味噌 無水カレー」としても紹介され、ゲストのGENERATIONS・小森隼さんが作ってみたかった料理として登場しています。
鶏肉をしっとり仕上げる下ごしらえや、焦げ付かせずに野菜の水分を引き出す方法も含めて、詳しい作り方を見ていきましょう。
🍅 無水カレーとは?水を加えずに煮込むカレー
無水カレーとは、基本的に調理用の水を加えず、野菜や肉などの食材が持つ水分を利用して煮込むカレーです。
「無水」といっても、水分がまったく存在しないわけではありません。トマト、玉ねぎ、なす、きのこなどから加熱中に出てくる水分が、煮汁の役割を果たします。
水で味が薄まりにくいため、野菜の甘味や酸味、鶏肉のうま味を濃く感じやすいのが魅力です。一方で、水分を加えない分、火が強すぎたり混ぜる回数が少なかったりすると、鍋底が焦げ付きやすくなります。
食材の水分を逃がさないようにふたをして煮込み、途中で鍋底から混ぜることが、おいしく仕上げるために欠かせません。
🍗 無水トマトチキンカレーの材料
3人分の材料です。
- 鶏もも肉:2枚(450g)
- 液体塩こうじ:大さじ2
- 玉ねぎ:1個
- にんにく:1片
- なす:2本
- マッシュルーム:1パック
- トマト:3個
- 米油:大さじ2
- ホールクミン:小さじ1
- カレー粉:大さじ1
- 赤だし味噌:大さじ1
- 塩:小さじ1/2~
- バター:10g
- ご飯:3杯分
液体塩こうじがない場合は、同量の牛乳で代用できます。どちらを使う場合も、鶏もも肉へもみ込んでから調理します。
🔪 無水トマトチキンカレーの作り方
1.鶏もも肉を切って下味を付ける
鶏もも肉は大きめの一口大に切ります。
ボウルやポリ袋へ入れ、液体塩こうじ大さじ2を加えて、鶏肉全体へ行き渡るようにもみ込んでください。
液体塩こうじがない場合は、牛乳大さじ2を使います。鶏肉を大きめに切っておくと、煮込んでも存在感が残り、食べ応えのあるカレーに仕上がります。
2.野菜を切る
玉ねぎとにんにくは薄切りにします。
なすは2cm幅の半月切り、マッシュルームは半分に切ってください。トマトは横半分に切ります。
無水カレーでは野菜から出る水分を使うため、トマトは特に重要な材料です。切ったときに出た果汁も捨てずに加えましょう。
3.玉ねぎとにんにくを炒める
フライパンに米油大さじ2を入れて熱し、薄切りにした玉ねぎとにんにくを炒めます。
玉ねぎがしんなりして色付き、甘い香りがしてくるまで炒めてください。にんにくを焦がすと苦味が出るため、火が強すぎる場合は調整しましょう。
4.クミンとカレー粉を加える
玉ねぎとにんにくが色付いたら、ホールクミン小さじ1とカレー粉大さじ1を加えます。
粉っぽさがなくなり、スパイスが油となじむまで炒め合わせてください。油と一緒に加熱することで、クミンやカレー粉の香りが引き立ちます。
焦げやすい工程なので、スパイスを加えたあとは長時間炒めすぎず、香りが立ったら次の材料を加えましょう。
5.鶏肉と野菜、赤だし味噌を加える
下味を付けた鶏もも肉、なす、マッシュルーム、トマトを加えて炒め合わせます。
トマトはフライパンの上で絞り、果汁を先に出すようにして加えてください。早い段階で水分が広がり、鍋底の焦げ付きを防ぎやすくなります。
赤だし味噌大さじ1も加え、具材やトマトの果汁となじませます。
6.ふたをして20分煮込む
フライパンにふたをし、弱めの中火で20分ほど煮込みます。
水は加えません。トマト、玉ねぎ、なす、マッシュルームから出てくる水分を逃がさないよう、煮込み中はふたを閉めておきます。
ただし、焦げ付きを防ぐため、ときどきふたを開けて鍋底から全体を混ぜてください。火が強すぎる場合は弱火へ落としましょう。
7.トマトの皮を取り除く
煮込んでトマトの皮が外れてきたら、菜箸やトングなどで、取り除けるものをできるだけ取り出します。
皮を残したままでも食べられますが、取り除くと口当たりがなめらかになります。無理に細かな皮まですべて探す必要はありません。
8.塩で味を調えて煮詰める
味見をし、塩小さじ1/2~を加えて味を調えます。
ふたを外して強火にし、5分ほど煮詰めてください。余分な水分を飛ばすことで、野菜と鶏肉のうま味が凝縮され、濃厚なカレーになります。
強火にしたあとは焦げ付きやすいため、鍋底からこまめに混ぜましょう。
9.バターを加えて仕上げる
好みの濃度まで煮詰まったら火を止め、バター10gを加えて混ぜます。
余熱でバターを溶かし、カレー全体へなじませてください。器にご飯を盛り、無水トマトチキンカレーをかけたら完成です。
🧂 液体塩こうじを鶏肉にもみ込む理由
液体塩こうじは、米こうじを使った発酵調味料です。鶏もも肉へもみ込むことで下味が付き、しっとり柔らかな仕上がりを目指せます。
粒のある塩こうじと違って液状なので、肉の表面へ均一になじませやすく、そのままカレーへ加えても舌触りを損ねにくいのが特徴です。
液体塩こうじには塩味があるため、仕上げの塩は必ず味見をしてから加えてください。最初から塩を多く入れると、煮詰めたときに味が濃くなる可能性があります。
番組では、液体塩こうじがない場合は牛乳で代用できると紹介されました。牛乳を使う場合は液体塩こうじのような塩味が付かないため、最後の塩で味を整えましょう。
🍅 トマトを最初に絞って加える理由
水を加えないカレーでは、煮込み始めに十分な水分がないと、玉ねぎやスパイスが鍋底へ付きやすくなります。
横半分に切ったトマトを絞りながら加えると、果汁が早くフライパン全体へ広がります。トマトの水分を煮汁としてすぐに使えるため、焦げ付きを防ぎながら具材を煮込みやすくなります。
果肉は煮込むうちに崩れ、カレーのベースになります。トマトの酸味が鶏肉のうま味や玉ねぎの甘味を引き締め、重くなりすぎない味わいに仕上げてくれます。
🌿 ホールクミンとカレー粉を使う理由
ホールクミンは、クミンの種をそのまま乾燥させたスパイスです。油で炒めると香りが立ち、カレーらしい芳ばしさを加えます。
一方、カレー粉はターメリック、コリアンダー、クミンなど複数のスパイスを混ぜた調味料です。ホールクミンで香りの土台を作り、カレー粉で複雑な風味や色を補います。
どちらも油となじませることで香りを引き出しやすくなりますが、焦げると苦味が出ます。玉ねぎを炒めたあとに加え、香りが立ったらすぐに鶏肉や野菜を加えるのがコツです。
🫘 赤だし味噌がカレーにコクをプラス
赤だし味噌は、豆味噌を中心に調合された、色と風味の濃い味噌です。カレーへ加えると、発酵調味料ならではのうま味と深いコクが加わります。
カレー粉と赤だし味噌は意外な組み合わせに見えますが、どちらも香りと味の強い調味料です。鶏肉やトマトのうま味を支え、短い煮込み時間でもじっくり作ったような奥行きを感じやすくなります。
赤だし味噌にも塩分が含まれているため、塩は最後に少しずつ加えましょう。煮詰める前に味を濃くしすぎないことも大切です。
🧈 バターは火を止めてから加える
仕上げのバターは、スパイスとトマトの角をやわらげ、カレー全体をまろやかにまとめます。
煮込みの途中ではなく、火を止めてから加えることで、バターの風味を残しやすくなります。10gと少量でもコクが加わるため、たくさん入れる必要はありません。
乳製品を避けたい場合は省くこともできますが、番組で紹介された味に近づけたい場合は、仕上げに加えるのがおすすめです。
✅ 濃厚な無水カレーに仕上げるコツ
- 鶏もも肉は大きめに切って食べ応えを残す
- 液体塩こうじ、または牛乳を鶏肉へもみ込む
- 玉ねぎとにんにくを色付くまで炒める
- クミンとカレー粉は油によくなじませる
- トマトは絞り、果汁を先にフライパンへ広げる
- 煮込み中はふたを閉めて野菜の水分を逃がさない
- 鍋底が焦げないよう、ときどき全体を混ぜる
- トマトの皮を取り除いて口当たりをよくする
- 塩は煮詰める前に入れすぎず、味見をして調整する
- 最後は強火で水分を飛ばし、うま味を凝縮する
- 火を止めてからバターを加える
❓ 無水トマトチキンカレーのよくある質問
Q. 本当に水を一滴も加えないのですか?
A. 番組で紹介されたレシピでは、調理用の水を加えません。
トマトを中心に、玉ねぎ、なす、マッシュルームから出る水分で鶏肉を煮込みます。食材やフライパンの状態によって焦げそうな場合は、火を弱めて鍋底から混ぜてください。
Q. 無水調理専用の鍋がなくても作れますか?
A. ふたがしっかり閉まる深めのフライパンや鍋で作れます。
野菜から出た蒸気を逃がさないことが重要です。ふたに大きな隙間があるものや、材料に対して極端に大きな鍋は、水分が蒸発しやすいので避けた方がよいでしょう。
Q. 液体塩こうじがない場合はどうしますか?
A. 同量の牛乳で代用できます。
鶏もも肉へ牛乳大さじ2をもみ込んでください。牛乳には液体塩こうじのような塩味がないため、仕上げに味を見て塩の量を調整します。
Q. 赤だし味噌がなければ普通の味噌でもよいですか?
A. 代用はできますが、風味や色、コクは変わります。
赤だし味噌は力強い風味が特徴です。米味噌などを使うと、より穏やかで甘味のある仕上がりになる場合があります。まずは大さじ1より少なめに加え、味を見ながら調整してください。
Q. ホールクミンがなくても作れますか?
A. カレー粉だけでもカレー味にはなりますが、香りの印象は変わります。
ホールクミンを油で炒めることで、ひときわ香ばしいカレーらしい香りが加わります。番組の仕上がりに近づけたい場合は使用するのがおすすめです。
Q. トマト缶で代用できますか?
A. 水分量や酸味が変わるため、番組どおりに作るなら生のトマトがおすすめです。
トマト缶でも無水カレーは作れますが、商品によって内容量や濃度が異なります。置き換える場合は、煮込みながら水分量と味を調整してください。
Q. トマトの皮は必ず取り除きますか?
A. 食べられるため必須ではありませんが、取り除くと口当たりがよくなります。
煮込むと皮が果肉から自然に外れてくるため、目立つものを菜箸やトングで取り出す程度で構いません。
Q. 鶏もも肉に火が通ったか心配です
A. 最も厚い部分を切り、中心まで色が変わっていることを確認してください。
肉の中心が生の状態であれば、再びふたをして加熱します。大きく切りすぎると火が通るまで時間がかかるため、番組のように「大きめの一口大」を目安にしましょう。
Q. 作り置きや冷凍保存はできますか?
A. 清潔な保存容器へ移せば冷蔵や冷凍ができますが、早めに食べ切りましょう。
粗熱をできるだけ早く取り、冷蔵庫または冷凍庫で保存します。食べるときは鍋底から混ぜながら十分に温め直してください。なすやマッシュルームの食感は、冷凍によって変わることがあります。
🍛 水を加えないからこそ楽しめる、野菜と鶏肉の濃厚な味わい
無水トマトチキンカレーは、トマト、玉ねぎ、なす、マッシュルームが持つ水分を生かし、鶏もも肉のうま味をぎゅっと閉じ込めたカレーです。
水を加えずにふたをして煮込むことで、野菜の甘味や酸味が薄まりにくく、カレールウを使わなくても食べ応えのある濃厚な味わいに仕上がります。
ホールクミンとカレー粉が豊かな香りを作り、赤だし味噌が深いコクをプラス。最後に加えるバターがスパイスやトマトの風味をまろやかにまとめてくれます。
焦げ付きを防ぐため、トマトの果汁を早めに広げ、ふたをして煮込みながら、ときどき鍋底から混ぜるのが大切です。野菜から水分がたっぷり出てきたら、最後は強火で煮詰め、好みの濃度へ仕上げましょう。
いつものカレーとは違う、野菜の濃厚なうま味や赤だし味噌の奥深さを楽しみたい日に、ぜひ試してみてください。

