香り豊かなきのこ、香ばしく焼いた厚揚げ、うまみのある豚バラ肉を甘辛い煮汁でまとめた「きのこと厚揚げの甘辛煮込み」。とろみのついた煮汁が具材によくからみ、ご飯が進む中華風のおかずです。
この料理のおいしさを決めるのは、きのこを一度に加えず、半量ずつ時間差で入れること。最初の半量はしっかり炒めて香りとうまみを引き出し、残りの半量は後から加えてシャキッとした食感を残します。
この記事では、2026年9月23日放送のNHK「きょうの料理」で魏禧之(ぎ・よしゆき)さんが紹介したレシピをもとに、材料、作り方、失敗しにくいポイントなどについて、ご紹介します。
📺 「きょうの料理」で紹介された秋の中華煮込み
番組では「野菜&きのこを楽しむ“秋中華”」の一品として紹介されました。
まいたけ、マッシュルーム、エリンギなど、好みのきのこを約3種類組み合わせます。きのこの種類だけでなく、加えるタイミングも変えることで、豊かな香りと異なる食感を一皿の中に生み出すのが特徴です。
厚揚げは煮込む前に断面をきつね色に焼き、香ばしさを加えます。豚バラ肉のうまみ、しょうがの香り、赤とうがらしの辛みも重なり、厚揚げが主役でも満足感のある仕上がりです。
📝 材料(2~3人分)
- 好みのきのこ:合わせて200g
- まいたけ、マッシュルーム、エリンギなど約3種類
- 厚揚げ:1枚(220g)
- 豚バラ肉(薄切り):70g
- しょうが(すりおろす):小さじ1
- 赤とうがらし(小口切り):1つまみ
- 水溶き片栗粉:大さじ1
- 片栗粉を同量の水で溶いたもの
- サラダ油:大さじ2
- ごま油:大さじ1
合わせ調味料【A】
- チキンスープ:150ml
- 中華風顆粒チキンスープの素を表示どおりに湯で溶いたもの
- しょうゆ:大さじ2弱(35g)
- 砂糖:大さじ1と1/2(15g)
- 酒:大さじ1(15g)
🔪 作る前の下ごしらえ
きのこを切る
きのこは石づきやかたい部分を取り除き、大きめの一口大に切ります。まいたけは手で大きめにほぐし、エリンギは長さを調整して食べやすく切り、マッシュルームは大きさに応じて半分または4等分にします。
加熱すると小さくなるため、細かく切りすぎないのがポイントです。切ったきのこは、おおよそ半量ずつに分けておきましょう。
厚揚げと豚肉を切る
厚揚げは2.5cm角に切ります。豚バラ肉は3cm幅に切ります。
厚揚げの表面に水分が多い場合は、キッチンペーパーで軽く押さえておくと焼き色がつきやすく、油はねも抑えられます。
調味料を合わせる
【A】のチキンスープ、しょうゆ、砂糖、酒を混ぜ合わせます。砂糖が底に残らないよう、加える前にもう一度混ぜましょう。
水溶き片栗粉は時間がたつと分離するため、鍋へ加える直前に混ぜ直します。
👩🍳 作り方
1.厚揚げを香ばしく焼く
鍋またはフライパンにサラダ油大さじ1を入れ、強めの中火で熱します。厚揚げを並べ、断面がきつね色になるまで焼きます。
全体に香ばしい焼き色がついたら、いったん取り出します。煮込む前に焼くことで、厚揚げ自体の香ばしさが増し、煮汁の中でも存在感を保ちやすくなります。
2.香味野菜と豚肉を炒める
同じ鍋に残りのサラダ油大さじ1、すりおろしたしょうが、赤とうがらしを入れ、強めの中火にかけます。
香りが立ったら豚バラ肉を加え、肉の色が変わり始めるまで炒めます。しょうがは焦げやすいため、香りが出たら手早く次の工程へ進みましょう。
3.きのこの半量をよく炒める
きのこの半量を加え、豚バラ肉と一緒によく炒めます。
ここで加えるきのこは、しっかり炒めることでかさが減り、香りとうまみが引き出されます。鍋の中を動かしながら、きのこの表面に油とうまみをなじませましょう。
4.厚揚げを戻して煮込む
焼いておいた厚揚げを鍋へ戻し、全体を炒め合わせます。【A】を加え、約1分30秒間煮込みます。
厚揚げを煮汁に触れさせるように混ぜながら煮ると、甘辛い味が全体になじみやすくなります。
5.残りのきのこを加える
残しておいたきのこの半量を加えます。きのこに火が通り、汁けが少なくなるまで煮ます。
後から加えたきのこは煮込み時間が短いため、シャキッとした食感と新鮮な香りが残ります。
6.とろみと香りをつける
水溶き片栗粉を混ぜ直し、鍋の中を混ぜながら少しずつ加えます。煮汁にとろみがつき、具材へしっかりからんだら、ごま油大さじ1を加えて混ぜます。
器に盛りつければ完成です。
✨ おいしく仕上げる5つのポイント
1.食感の異なるきのこを組み合わせる
まいたけの香り、エリンギの弾力、マッシュルームのうまみなど、特徴の違うきのこを約3種類合わせると、味と食感が豊かになります。すべてを同じ大きさにそろえすぎず、それぞれの個性を残しましょう。
2.厚揚げは煮込む前に焼く
厚揚げの断面をきつね色に焼くことで、香ばしさが生まれます。表面が適度に締まるため、煮込んだときに崩れにくくなるのも利点です。
3.最初のきのこはしっかり炒める
前半に加えるきのこは、豚バラ肉とともによく炒めます。きのこの水分を飛ばしながら香りとうまみを凝縮させ、煮汁の土台をつくる役割があります。
4.残りのきのこは後から加える
後半のきのこは、食感と香りを残す役割があります。最初から全量を煮込むと全体が同じ食感になりやすいため、半量を取り分けておく工程が大切です。
5.水溶き片栗粉は煮汁が減ってから加える
汁けが多い段階でとろみをつけると、味が薄く感じられたり、必要以上に片栗粉を加えたりする原因になります。きのこに火が通り、汁けが少なくなってから加えましょう。
🍄 きのこを時間差で加えると何が変わる?
きのこを半量ずつ加えるのは、単に火の通りを調整するためではありません。同じ種類のきのこから、二つの異なるおいしさを引き出す調理法です。
最初に加えるきのこは、豚バラ肉とよく炒めてから煮込むため、味がしっかり入り、香りとうまみが煮汁へ溶け込みます。一方、後から加えるきのこは加熱時間が短く、シャキッとした歯ごたえと立ち上がる香りを保てます。
味の染みたきのこと、食感の残ったきのこが同じ皿に入ることで、最後まで単調にならず、きのこそのものをたっぷり楽しめます。
🍚 合わせやすい献立
甘辛い味と豚バラ肉のうまみがあるため、白いご飯によく合います。主菜として食べるなら、わかめと卵の中華スープや、ねぎを加えたシンプルなスープを添えると献立がまとまります。
副菜には、きゅうりの甘酢あえ、トマトの中華風サラダ、青菜のおひたしなど、さっぱりした料理がおすすめです。煮込み料理にとろみがあるため、汁けや油の少ない副菜を選ぶとバランスがよくなります。
💡 よくある質問
Q.きのこは何を組み合わせるのがおすすめですか?
A.番組では、まいたけ、マッシュルーム、エリンギなどから約3種類を使います。香りの強いきのこ、弾力のあるきのこ、うまみの濃いきのこを組み合わせると、食感と味に変化が生まれます。
Q.しめじやしいたけでも作れますか?
A.好みのきのこでアレンジできます。しめじはほぐし、しいたけは軸のかたい部分を除いて大きめに切りましょう。合計200gを目安にすると、煮汁とのバランスを保ちやすくなります。
Q.厚揚げの油抜きは必要ですか?
A.番組の手順では、厚揚げを切って焼いています。油が気になる場合は表面をキッチンペーパーで押さえる程度にし、水分を残さないようにすると焼き色がつきやすくなります。
Q.豚バラ肉を使わずに作れますか?
A.省くことはできますが、豚バラ肉の脂とうまみが煮汁のコクを支えているため、番組で紹介された味わいとは変わります。別の肉へ置き換える場合も、脂の量によって仕上がりが異なる点に注意してください。
Q.水溶き片栗粉が固まってしまいます。
A.片栗粉が沈殿したまま加えたり、一か所へまとめて注いだりすると固まりやすくなります。加える直前によく混ぜ、鍋の中を動かしながら少量ずつ加えてください。
Q.作り置きできますか?
A.保存はできますが、時間がたつと後から加えたきのこの食感が変わり、とろみも強くなりやすいため、できたてがおすすめです。残った場合は速やかに冷まして冷蔵し、食べるときは中心まで十分に温め直してください。
🍄 香り、うまみ、食感が重なる満足感のある中華おかず
「きのこと厚揚げの甘辛煮込み」は、数種類のきのこ、香ばしく焼いた厚揚げ、豚バラ肉を、とろみのある甘辛い煮汁でまとめた食べ応えのある一皿です。
特に覚えておきたいのは、きのこの半量を豚肉としっかり炒め、残りの半量を煮込みの後半に加えること。先に入れたきのこは味が染み、後から入れたきのこはシャキッとした食感を残すため、一口ごとに違ったおいしさを感じられます。
厚揚げを最初に焼くひと手間も、香ばしさと満足感につながります。最後に煮汁へとろみをつければ、きのこや厚揚げに味がしっかりからみ、ご飯と一緒に食べたくなる秋の中華おかずが完成します。

