デジタル広告やSNS施策が普及した今、「ブランドとの関係性」や「愛着の深さ」をどう評価するかが、マーケティングの重要課題となっています。
そうした中で注目されているのが、Brand Loyalty Score(BLS)という指標です。
今回は、BLSの意味や測定方法、混同されやすいNPSとの違い、そしてマーケティングでの活用シーンなどをご紹介します。
Brand Loyalty Score(BLS)とは?
Brand Loyalty Score(BLS)とは、顧客がそのブランドに対してどれだけ継続的に関わりたいと考えているか、再購入したいと考えているかといったロイヤルティの度合いをスコアとして表したものです。
たとえば以下のようなアンケート形式の質問がよく使われます。
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「今後もこのブランドの商品を購入したいと思いますか?」
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「このブランドに対して好意的な感情を持っていますか?」
これらの回答を集計し、数値化したものがBLSです。
広告施策やブランド体験が顧客のロイヤルティにどう影響したかを確認するために活用されます。
BLSの測定方法とデータの取得手法
BLSの計測は、主に以下のような方法で行われます。
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オンラインアンケート:Web調査などで特定の質問を投げかけ、ロイヤルティのスコアを抽出
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ブランドリフト調査:Yahoo!広告やYouTube広告などで実施できる広告接触前後の変化測定
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キャンペーン効果測定:新商品・新サービスの認知後にロイヤルティの変化を測る
回答データは0〜10点などのスケール形式で収集されることが多く、平均値または割合でスコア化されます。
混同されやすい指標:NPSとの違いとは?
BLSとよく似た概念として挙げられるのがNPS(Net Promoter Score)です。
どちらも顧客の感情や意識を可視化する指標ですが、測っているものが異なります。
NPSの特徴
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質問内容:「このブランドを他人にすすめたいと思いますか?」
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推奨者・中立者・批判者に分類
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他人への推奨意欲を数値化
BLSの特徴
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質問内容:「このブランドを今後も使いたいですか?」など
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本人の再購入意欲・愛着度を重視
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ブランド体験の感情的な影響度を測定
簡単に言えば、NPSは“紹介したい度”、BLSは“好きで使い続けたい度”の違いです。
BLSはどんな場面で使われる?
BLSは、以下のような場面で有効に活用されています。
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広告施策の効果測定:動画広告・リッチメディア広告などの接触後に、ブランドロイヤルティが上がったかを見る
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ブランド戦略の改善:定期的なスコア測定で、ファン層と離反層の変化を分析
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ロイヤル顧客の育成:会員制度やリピーター施策の評価指標として
施策の前後でスコアの変化を見ることで、「どんなコミュニケーションがブランドにとって有効だったか」を把握できます。
BLSスコアを高めるためには?
BLSのスコア向上には、顧客との継続的な信頼関係構築が必要です。以下のような取り組みが効果的です。
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ブランド価値の一貫性を保つ(広告、接客、製品体験にブレがない)
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SNSやキャンペーンで顧客と対話する
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ユーザーの声を施策に反映させ、体験価値を向上させる
こうした地道な積み重ねが、ブランドへの愛着を深め、BLSスコアにも表れてきます。
まとめ
Brand Loyalty Score(BLS)は、顧客がどれほどブランドに愛着を持っているか、再び利用したいと感じているかを数値で捉える指標です。
広告施策の効果測定からブランド戦略の最適化まで、幅広いマーケティング領域で活用が期待されています。
よくある質問(FAQ)
Q. BLSとNPSのどちらを使えばよい?
→ 推奨意欲を測るならNPS、再購入や愛着度を測りたいならBLSがおすすめです。
Q. BLSは広告でしか使えませんか?
→ いいえ。商品・サービスのリリース時や、ロイヤルティ戦略の評価にも使えます。
Q. ブランドロイヤルティが高いと、何が期待できますか?
→ 顧客のLTV(生涯価値)が高まり、価格競争に巻き込まれにくくなります。