カテゴリー
ブログ マーケティング

Yahoo!検索広告の入札戦略最適化:キャンペーン単位でコンバージョンを選択する新機能の解説

2024年10月23日より、Yahoo!検索広告の新しい機能として、入札戦略の最適化に使用するコンバージョンをキャンペーン単位で選択する機能が追加されました。

この改善により、広告主は特定のキャンペーンごとに異なる目標を持つコンバージョンを最適化に反映させることが可能となり、より精密な広告運用が期待されます。

この記事では、この新機能について、背景、機能の仕組み、具体的な使用方法、および広告運用における活用方法をご紹介します。

新機能追加の背景と目的

これまでのYahoo!検索広告では、アカウント全体でコンバージョン設定を統一し、その中から自動入札に使用するか否かを一括して選択する仕組みが採用されていました。

しかし、このアプローチには、すべてのキャンペーンで同じコンバージョンを最適化の基準にするという制約があり、各キャンペーンの目標に応じた柔軟な設定が難しいという課題が存在していました。

例えば、あるキャンペーンはウェブサイト経由でのコンバージョンを重視している一方で、別のキャンペーンではアプリ経由のコンバージョンを重視しているといったケースも多く見受けられます。

このような異なる目的を持つキャンペーンを1つのアカウントで一括管理する際、アカウント単位でのコンバージョン設定には限界がありました。

今回の機能追加により、キャンペーン単位で入札戦略の最適化に使用するコンバージョンを自由に選択できるようになりました。

これにより、キャンペーンの目標に応じた入札戦略が設定しやすくなり、最適なパフォーマンスを追求できるようになっています。

キャンペーン単位で選択するコンバージョンの設定方法

キャンペーン単位で最適化に使用するコンバージョンを選択するには、以下の2つの方法があります。

  1. コンバージョンの発生元と測定の目的を指定する方法
  2. 「コンバージョングループ」を作成してキャンペーンに設定する方法

それぞれの設定方法について詳しく見ていきましょう。

1. コンバージョンの発生元と測定の目的の指定

新たに追加された「コンバージョンの発生元」という項目では、コンバージョンが発生する場所を「ウェブサイト」「アプリ」「電話」のいずれかに指定できます。

また、コンバージョンの測定目的も併せて設定することで、最適化に利用するコンバージョンをキャンペーンごとに絞り込むことが可能です。

例えば、ウェブサイト経由での商品の購入にフォーカスするキャンペーンでは「ウェブサイト」を指定し、アプリ経由での登録を重視するキャンペーンでは「アプリ」を指定する、といった設定が行えます。

これにより、各キャンペーンの目標達成に必要なコンバージョンのみが最適化に使用されるようになるため、入札戦略の精度が向上します。

2. コンバージョングループの作成と設定

もう一つの方法は、「コンバージョングループ」を事前に作成し、それをキャンペーン単位で設定する方法です。

コンバージョングループは任意のコンバージョン設定をまとめて構成できる為、発生元や目的をまたいで柔軟なコンバージョンのグループ化が可能です。

例えば、複数のコンバージョンを一つのキャンペーンで統合的に管理したい場合には、必要なコンバージョンをひとつのグループとして設定しておくと便利です。

このように、コンバージョングループを利用することで、より自由度の高いコンバージョン管理が行えるようになり、特定のキャンペーンに最適な入札戦略を適用できます。

コンバージョン数の計上方法の変更点

今回の機能追加に伴い、コンバージョン数の計上方法も見直されました。

キャンペーン単位で最適化に使用するコンバージョンを選択した場合、Yahoo!広告管理ツールのパフォーマンスデータおよびパフォーマンスレポートの「コンバージョン数」には、設定したコンバージョンのみが計上されるようになります。

この変更により、キャンペーンごとに異なるコンバージョン数が表示され、より正確なパフォーマンスを確認することが可能になります。

ただし、注意点として、使用するコンバージョン数が少ない場合、最適化のための学習が十分に進まない可能性もあります。

特にコンバージョン数が少ないキャンペーンでは、自動入札の効果が発揮されにくい場合があるため、継続的に一定のコンバージョン数が得られるキャンペーンでの利用が推奨されています。

実際の広告運用における活用方法

今回の機能追加を活用することで、広告運用においてより精密な入札戦略を立てることが可能です。

例えば、次のようなケースで活用が期待されます。

  1. キャンペーンごとに異なるKPIを設定している場合
    • 商品販売促進を目的とするキャンペーン、アプリのインストールを促進するキャンペーン、電話問い合わせを誘導するキャンペーンなど、それぞれの目的に応じたコンバージョンを設定することで、最適化がより効果的に行われます。
  2. シーズンやイベントごとのキャンペーンにおける最適化
    • 年末年始やセール期間中などの短期キャンペーンにおいて、特定のコンバージョンを集中的に最適化することで、期間限定の目標達成を目指します。
  3. 特定のユーザー層向けのキャンペーンでの利用
    • 例えば、若年層向けにはアプリからの購入をコンバージョンの対象とし、年配層向けには電話問い合わせをコンバージョンの対象とするなど、ターゲットごとに異なるコンバージョンを設定して最適化することも可能です。

まとめ

Yahoo!検索広告の新機能である「キャンペーン単位でのコンバージョン選択」は、広告運用において非常に有用な改善です。

この機能を適切に活用することで、キャンペーンごとの目標達成が期待でき、広告効果の最大化に繋がります。