近年、テレビの視聴スタイルが大きく変化しています。その中心にあるのが「コネクテッドTV(Connected TV、CTV)」です。この記事では、コネクテッドTVの概要、特徴、広告配信の仕組みについてご説明します。
コネクテッドTV(CTV)とは?
コネクテッドTVとは、インターネットに接続されたテレビのことを指します。従来の地上波やBS・CS放送とは異なり、インターネットを介して動画コンテンツを視聴することができます。
代表的なコネクテッドTVの種類には、以下のようなものがあります。
1. スマートテレビ(Smart TV)
ネット接続機能を内蔵し、YouTubeやNetflixなどのアプリを直接利用できるテレビ。
- 例:Sony BRAVIA、Samsung Smart TV、LG OLED TV など
2. ストリーミングデバイス
通常のテレビをインターネット対応にするためのデバイス。
- 例:Amazon Fire TV Stick、Google Chromecast、Apple TV、Roku など
3. ゲーム機
PlayStation(PS5/PS4)やXboxなど、ストリーミングアプリを利用できるゲーム機もコネクテッドTVの一種とみなされます。
コネクテッドTVの特徴と普及の背景
コネクテッドTVが急速に普及している背景には、以下のような要因があります。
1. 動画配信サービス(VOD)の台頭
Netflix、YouTube、Amazon Prime Video、TVer などの動画配信サービスが広く利用されるようになり、それを快適に視聴できるCTVの需要が高まっています。
2. 視聴スタイルの変化(オンデマンド化)
従来のテレビ放送は放送時間に縛られるのに対し、CTVでは好きなタイミングでコンテンツを視聴できます。特に若年層を中心にオンデマンド視聴が主流になっています。
3. 広告市場の拡大
企業にとっても、CTVはターゲット広告が可能な有力な広告媒体です。従来のテレビCMとは異なり、データを活用した広告配信ができるため、効率的なマーケティングが可能です。
コネクテッドTVの広告(CTV広告)とは?
CTVの普及により、**「コネクテッドTV広告(CTV広告)」**と呼ばれる新しい広告手法が登場しています。これは、インターネット経由で配信されるテレビ向けの広告で、プログラマティック広告(自動入札型広告)にも対応しています。
CTV広告の特徴
✅ ターゲティング精度が高い
従来のテレビCMとは異なり、視聴データを基に「年齢・性別・興味関心」に合わせた広告を配信できます。
✅ 視聴データの分析が可能
広告の再生回数、視聴完了率、クリック数などの詳細なデータを取得し、広告の効果測定が可能です。
✅ スキップ不可の広告枠が多い
YouTubeのスキップ可能な広告とは異なり、CTV広告はスキップできない場合が多く、確実に視聴されやすい傾向があります。
コネクテッドTV広告が配信できる媒体
CTV広告を出稿するには、以下のような配信先を活用できます。
1. 動画配信サービス(AVOD)
広告付きの動画配信サービスを活用した広告配信が可能。
- YouTube(YouTube TV など)
- TVer(日本の地上波テレビ局が提供)
- ABEMA(ニュース・アニメ・スポーツなど幅広いジャンル)
- Pluto TV、Amazon Freevee(海外向けの無料配信サービス)
2. ストリーミングデバイス(Amazon・Google など)
- Amazon Fire TV(Amazon DSPを活用)
- Google Chromecast(YouTube広告が中心)
- Apple TV(Appleの広告枠は限定的)
3. CTV広告ネットワーク・DSP/SSP
- Google Display & Video 360(DV360)
- The Trade Desk(TTD)
- Magnite、PubMatic(CTV特化の広告ネットワーク)
まとめ:CTVの未来と広告の可能性
コネクテッドTVは、インターネットとテレビの融合により、視聴スタイルの変化を生み出しています。特にCTV広告は、従来のテレビCMとは異なり、データドリブンな広告戦略が可能な点が大きな魅力です。
今後、5Gの普及やAI技術の進化により、さらに高度なターゲティングやインタラクティブ広告が増えていくことが予想されます。企業のマーケティング担当者にとっても、CTV広告は今後無視できない重要な広告手法になるでしょう。
📢 今後のトレンドとして注目すべきポイント
✅ CTV広告のプログラマティック化(自動入札型広告の進化)
✅ インタラクティブ広告(視聴者が操作できる広告)
✅ スマートスピーカーとの連携(音声検索×CTV広告)
これからのテレビ広告戦略を考える上で、CTVの活用は重要なポイントになりそうです。