カテゴリー
ブログ

木造マンションが注目される理由|耐震性・耐火性は大丈夫?

近年、環境に優しく、コスト面でもメリットがある「木造マンション」が注目を集めています。従来の木造建築とは異なり、最新技術を活用した耐震・耐火性能の高い建築が可能になっており、都市部でも導入が進んでいます。本記事では、木造マンションの特徴やメリット・デメリット、今後の展望についてご紹介します。

木造マンションとは?

木造マンションとは、主要な構造部分(柱・梁・壁など)に木材を使用した集合住宅のことです。従来、木造建築は2~3階建てのアパートが一般的でしたが、最近では5階建て以上の木造マンションが登場しています。

特に、CLT(直交集成板)などの最新技術を活用することで、強度や耐火性が向上し、都市部でも導入が進んでいます。

木造マンションのメリット

① 建築コストを抑えられる

  • 鉄筋コンクリート(RC造)や鉄骨造と比べてコストが安い傾向にあります。
  • 木材は加工しやすく、工場でのプレカット技術が進んでいるため、施工期間の短縮も可能です。

② 環境に優しい(脱炭素社会に貢献)

  • 木材は二酸化炭素(CO2)を吸収する性質があり、環境負荷が低い建築素材です。
  • 近年のSDGs(持続可能な開発目標)の流れから、政府や自治体も木造建築を推奨しています。

③ 耐震性が向上している

  • 最新の耐震技術(CLT工法・制震ダンパー)を採用することで、地震に強い構造を実現しています。
  • 建築基準法に適合した設計のため、震度6強~7クラスの地震にも耐えられる建物が増えています。

④ 施工期間が短い

  • 木造は工期が短いため、早期の入居・運用が可能になります。
  • 賃貸マンションとして建築する場合、早期の収益化が見込める点も魅力です。

木造マンションのデメリット

① 遮音性の課題

  • 木造は音が響きやすいため、遮音対策が必要です。
  • 近年は二重床・二重天井や高性能の防音材を使用することで、鉄筋コンクリート造に近い遮音性能を持つ建物も増えています。

② 耐火性の不安

  • 木造=燃えやすいというイメージがありますが、現在は耐火木材や防火壁を使用することで安全性が向上しています。
  • 準耐火構造・耐火構造の木造マンションもあり、鉄筋コンクリート造と同等の安全基準を満たす建物も存在します。

③ 高層化には限界がある

  • 現在の建築基準法では、木造建築の高さは原則60m(約20階)以下とされています。
  • 鉄筋コンクリートや鉄骨とのハイブリッド構造を採用することで、高層木造マンションの実現が期待されています。

木造マンションが増え始めた背景

2010年代後半から増加傾向

  • 2016年:「建築基準法改正」により、CLT(直交集成板)を活用した中高層木造建築が可能に。
  • 2020年以降:SDGsの推進や脱炭素社会の流れから、木造建築の需要が急増
  • 東京都や大阪府を中心に、5~10階建ての木造マンションが増加

今後の木造マンションの展望

木造マンションは、環境面・コスト面・耐震性などの点で大きなメリットがあり、今後さらに普及が進むと予想されます。特に、「木造×鉄骨×RC」のハイブリッド構造を活用した超高層木造マンションが開発されれば、今後20階以上の木造マンションも実現する可能性があります。

今後の技術革新や法改正により、「木造タワーマンション」が実現する日も遠くないかもしれません。

まとめ

✅ 木造マンションは環境に優しく、コストが安いことが特徴。
CLT(直交集成板)や耐火木材の活用で、耐震性・耐火性が向上
音の問題や高層化の制限はあるが、最新技術で改善が進んでいる
SDGsや脱炭素の流れから、今後ますます普及が進む可能性が高い

「木造マンション」は、今後の住宅市場において重要な選択肢の一つになっていくでしょう。