最近、韓国旅行のお土産として「お米」を買って帰る人が増えています。物価高の影響で日本国内の米価が上昇する中、韓国では比較的リーズナブルにお米を購入できる為、お得感から注目されているのです。
しかし、お米は植物に該当するため、日本へ持ち込む際には検疫や申告など、いくつか気をつけなければならないポイントがあります。今回は、韓国でお米を買って帰るときに注意したい点をご紹介します。
なぜ韓国でお米を買う人が増えているの?
日本国内では、ここ数年の天候不順や肥料価格の高騰などにより、米の価格が右肩上がりです。特に人気銘柄の白米は、5kgで6000円を超える商品も登場しています。
一方、韓国では政府主導の価格安定政策や消費量の減少などもあり、価格は比較的落ち着いています。2025年4月時点では、韓国産の一般的な精米が5kgで約2000〜2500円と、日本の半額近い価格帯で販売されているケースもあります。品質も安定しており、炊き方や銘柄によっては日本人の味覚にもよく合うため、コスパ重視の旅行者にとって魅力的な選択肢となっています。
日本に持ち帰る際に必要な手続き
韓国で購入したお米を日本に持ち込む際には、「植物検疫」という手続きが必要です。これは植物由来の製品が病害虫やウイルスを日本国内に持ち込まないようにするための制度です。
入国時には、空港内に設置されている植物検疫カウンターで、お米を持っていることを必ず申告しましょう。特に精米された密封パックのお米であれば、検査を受けることで問題なく持ち込めることがほとんどです。
ただし、玄米や未精製の状態、あるいは農薬使用状況が不明な商品は、検疫で通らない場合があります。購入時には「精米」「密封」「表示が明確」な商品を選ぶのがポイントです。
税関申告と関税・納付金について
植物検疫とは別に、税関での申告も忘れてはいけません。税関申告書には、「植物性食品を所持している」旨を記入し、検疫を受けたことをあわせて報告する必要があります。
さらに注意したいのが「納付金制度」です。日本では、お米を輸入する場合、1kgあたり292円の納付金が課されるルールがあります。個人が少量(たとえば5kg前後)を家庭用として持ち込む場合、関税や納付金が免除されるケースが多いですが、10kgを超える場合や頻繁に輸入していると見なされた場合は、課税対象となる可能性があるため注意が必要です。
重要なのは、申告を正直に行うことです。未申告であることが発覚すると、違法輸入と見なされ、没収や罰則の対象となるリスクがあります。
お米の選び方と持ち帰りのコツ
日本に持ち帰るお米は、なるべく市販品の真空パックや密封パッケージされたものを選びましょう。韓国の大型マートや食品専門店には、内容量・生産国・精米日などが記載された商品が多くあります。
また、重さがあるため、購入したお米はスーツケースに入れて預け入れ荷物として持ち帰るのがおすすめです。手荷物にすると、セキュリティチェックで止められる場合もありますし、重量オーバーの原因にもなります。
旅行の前半で購入してしまうと荷物になるため、できるだけ帰国直前に買うようにするとスマートです。
ルールを守れば安心して韓国米を楽しめる!
韓国でのお米購入は、価格面でも味の面でも魅力的な選択肢です。ただし、日本へ持ち帰る際には「植物検疫」「税関申告」「納付金の可能性」といったルールをしっかり把握し、正しく申告することが大前提です。
少量で家庭用として持ち帰るのであれば、大きな問題になることはほとんどありません。きちんと申告し、ルールを守って、お得で美味しい韓国米を自宅でも楽しんでくださいね。