2025年4月、大谷翔平選手がメジャーリーグの「父親リスト」に登録されたというニュースが報じられ、ファンの間でも大きな話題となりました。
「父親リストって何?」「どんなときに使う制度なの?」と疑問に思った方も多いかもしれません。
実はメジャーリーグには、選手が家族との時間を大切にできるよう、きちんと整えられたルールがあるのです。今回は、そんな“父親リスト”の仕組みや背景について、ファン目線でわかりやすくご紹介します。
父親リストとは?選手が“パパ”になる瞬間をサポートする制度
「父親リスト(Paternity List)」とは、選手の子どもが誕生するタイミングで、チームを一時的に離れて出産に立ち会うことを認める特別な制度です。
最短で1日、最長で3日間、チームから離れても良いとされており、その間の給料も支払われます。離脱中は、代わりの選手がロースター(出場登録)に入るため、チームの戦力バランスにも配慮された仕組みになっています。
2011年から導入されたこの制度は、プロとしての責任と同時に、家庭や人生の大切な時間も尊重するという、MLBならではの考え方が反映されています。
大谷翔平選手もリスト入り。ドジャースの“家族を大事にする文化”が話題に
今回、父親リストに登録された大谷選手。ドジャースはすぐに公式で発表し、大谷選手が復帰するまでの間は、チーム全体でその決断を支える姿勢を見せていました。
ドジャースには以前から、ムーキー・ベッツ選手やマックス・マンシー選手など、出産に立ち会うために父親リストを利用した選手が何人もいます。大谷選手だけでなく、チームとして「家族を大事にするのが当たり前」という空気が根付いているのです。
こうした雰囲気はファンにとっても嬉しいものですよね。「大切な瞬間をちゃんと過ごして、また元気に戻ってきてくれる」――そんな信頼感が生まれます。
MLB全体でも広がる“家族ファースト”の考え方
実は、メジャーリーグではどの球団もこの「父親リスト」制度を共通ルールとして採用しています。つまり、ドジャースに限らず、どのチームでも選手が希望すればリストに登録できるのです。
もちろん、球団ごとに雰囲気の違いはあります。西海岸の球団(ドジャースやパドレスなど)は比較的オープンに家族の話題を出す文化があり、SNSでも出産報告やチームからのお祝いメッセージが多く見られます。
一方、歴史ある球団(たとえばヤンキースやレッドソックスなど)では、報道の注目度が高いため、タイミングによっては「この時期に抜けるの?」と騒がれてしまうケースもゼロではありません。それでも、制度としてはすべての球団が同じように運用しています。
忌引きやケガとも違う、“人生の節目”のための特別なリスト
MLBにはほかにも「忌引きリスト(Bereavement List)」や「負傷者リスト(Injured List)」など、選手の事情に応じて一時的に離脱できる制度がいくつかありますが、「父親リスト」はその中でも特に“おめでたい理由”で使われる珍しいケースです。
選手にとっても、ファンにとっても、「家族の時間をちゃんと過ごしてほしい」と思えるような、温かい制度ですよね。
大切な瞬間に寄り添うMLBの制度に、あらためて拍手
大谷翔平選手の父親リスト入りを通じて、多くのファンがMLBの柔軟で温かい制度を知るきっかけになったのではないでしょうか。
トップレベルで戦い続けるプロアスリートであっても、人生の大切な時間はかけがえのないもの。
MLBがそれをしっかりサポートしていることは、応援する側にとっても心強いですよね。
無事に家族との時間を過ごした大谷選手が、またフィールドで輝いてくれるのを楽しみに待ちましょう!